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BL漫画感想

囀る鳥は羽ばたかない1巻より『漂えど沈まず、されど鳴きもせず』BLマンガ感想・考察/ヨネダコウ

2017-12-13

こんにちは!感想書くと言いながらまだ1巻・・・これはきっと5巻までたどり着かないパターンなのではないか。。。。笑

今回は1巻から『漂えど沈まず、されど鳴きもせず』の感想を。

そういえば!今日からですね『ヨネダコウ画業10周年記念祭』!皆さん行かれてるのかしら?私は明日行って来ますよ!!

イベント記事はBLメモリーのほうに書くと思います。

漂えど沈まず、されど鳴きもせず の紹介

この作品は『囀る鳥は羽ばたかない』1巻の最後のほうに収録されています。

影山・矢代の高校生時代の話です・・・とにかく切ない。切ないけど矢代の矛盾が多く描かれているものでもあるので矢代を理解する上ではとても重要な作品だと個人的には思っています。

ということで!!!!さっそく感想を♪

注意ポイント

感想にはネタバレ含みますのでご注意を!

考察と書きましたが、想像だったり妄想だったりが入ることが多いです。私の感じていることですのでこれが絶対!というわけではありません。

人間は矛盾でできている

個人的には矢代というか・・囀る鳥は羽ばたかないのストーリーは全てこれが描かれていると思っています。

ヤクザという男社会のなかで序列をなし、そして集団的に物事を行っているのですが、その中でも個々の存在というのがあるのですよね。

集団に馴染んでいるように思えて人間個人の主張や願望もあるわけです。ここで必ず矛盾が生じてくると思っています。

だから平田にしても三角さんにしても、竜崎にしても・・・矢代・百目鬼、そして影山・久我・・みな矛盾を抱えながら生きていると思っています。

ただ、その矛盾をどう処理しながら生きていくか・・・ですよね。(今回のストーリーにはあまり関係ないですけどね(*^_^*))

この「漂えど~」は矢代と影山のストーリーで矢代の心情が多く描かれています。

淡々としていて、何を考えているのかよく解らないような矢代の気持ちが描かれているこの作品は本当に重要で貴重なのだろうなぁって思います。

初恋の影山とは想いは通じなかったけれど、だからこその余韻というか・・・心に残る作品になっててこれはスゴイなと。

最後の矢代の号泣シーン・・・たまりませんよね(T^T)

ひとりだと言われた矢代ですが、囀るさんのラストではひとりなんかじゃないんだと思って笑って欲しいです。

ラストはこの漂えど~の反対の展開が待っているんじゃないかと密かに期待しています。

セックスをする上で限りなくホモに近い

影山と矢代・・・医者とヤクザがどんな風に仲良くなるのか気になりますよね。。。

最初は影山から声をかけてきたようです。。。矢代の傷が気になり、そこで絆創膏をくれたみたいでそこからちょいちょい絆創膏を渡してくるようになったらしいです。

矢代がつけた影山のあだなは・・・絆創膏男。まんまですね笑

体中に傷のある矢代ですが、これは虐待されたとかそういうのではなく、自らが望んでついた傷。。。

外的要因による痛みと自傷行為などによって快楽を味わい、それによってオルガズムを得られる性癖・・・マゾだということがここで語られています。

まぁこれは内容紹介にもあるのでここを読んでえぇ~~~~!!!なんて思う人はいないですよね。

私的にはびっくりしたのが次なんですよ・・・

そしてマゾであると同時にサドの気もある俺は

Sの気もあるですって!?!?と少し混乱しました。矢代はドMと言いながらSもあるのだというのはちょっとチェックが必要かと思います。

このSっけが出たこともあり女性に泣かれてしまってからは男女のエロはめんどくなったようで・・・それに快楽も男の人との方が得られるとますますホモの生態に近づいていると語っています。

ここでね。。。(悲しいことに・・・)っていう矢代の心情があるのでここもチェックですね。

なぜチェックかというと、最初この時点では好きになった人が今までいないので自分をホモだとは思っていないんですよね。

身体だけはホモのような・・・が正しいのだと思います。

悲しいことにというのは。。。ちょこっとホモということに対して抵抗があるのではないかと感じることができます。

影山の秘密

肩が脱臼した矢代が保健室へ行くと、そこに影山の姿が。保健医の先生の代わりに保健委員でいたようです。

肩をはめたあと、急に影山が「傷、見せろ 手当してやるから」と言ってくるんですよね。

これは。。。きっと自分の興味もあったのかな?って思いました。

手当するどころか、矢代の傷を触ってじ~っと見つめている影山に、矢代は「傷とか好きなのか?」と気づくんですよね。

「・・・傷とゆうか 火傷跡とか・・ケロイドが・・・」

と。矢代ってこういうの別にひくわけじゃなく「なーんだーそういうことか~」って言うのがまた影山との距離を縮めていったのだと思います。

性癖とか嗜好って、理解されるものされないものとかあって、矢代のマゾだったり影山の火傷フェチだっりって理解されにくいものなんですよね。

でも、傷を見ても何も突っ込まれず、火傷フェチだと知っても突っ込まれず・・・矢代の場合は「早くいいたまえよっ」って笑

仲良くなるというか、一緒にいて疲れない存在になっていくのがすごくよくわかりました。

これは両方どこかしらの特殊な嗜好があるから成立する関係なんですよね。

興味が恋に変わっていく

矢代は最初おもしろいからとケロイド部分を触れせていたのですが・・・いつしか影山に触られるとあるところが反応してくるようになります。

そして時間が経つにつれて影山が触りたいから触らせているのか、自分が触って欲しいから触らせているのかわからなくなってきます。

もうこの時点で矢代の心の中に影山が特別枠で入って来ていることがわかりますよね。

矢代は悪戯心で「バイであること」「小3から中学まで母親の再婚相手にセックスを強要されてた」ことなどを話します。

これは自分の事を知って欲しいというのもあるんだけれど、もっと触ってもいいんだよ?という気持ちもあったのではないかと思います。

その後のヤクザらしき人とのエロで煙草の火を押しつけるように言ったのは・・・もしかしたらその跡を見て影山が興奮するかもと思ったからかもしれませんよね。

そんな時、影山の父親が亡くなったことを知る矢代。

いてもたってもいられず、矢代は影山の家へいきます。

『能面のような影山が涙してるかもしれないと思うだけでわくわくした』

これはドMの子の考えるような心情じゃないですよね・・・・・。

でも実際、影山に声をかけられると矢代は顔も見ることができずドキドキして頬をそめています。

「ありがとうな」

と涙を流していたであろう影山の顔がとても心に残った矢代は、帰宅するとすぐに自慰をします。

ここはどれだけ矢代の心の中を影山が埋めていたかというシーンかなぁと。

『影山』『影山』『影山』と心の中で想いながら自慰してるんです・・・・。

これは泣き顔に反応してなのかどうなのか。

Sっけがある矢代ですからもしかしたら、泣いていた顔に反応したのかもしれません。自分に向けた、自分だけを見たあの顔がきっと矢代にとってはすごくクルものがあったのだと思います。

『想像の中の影山はタチでもネコでもなかった』

『ただ泣いてるだけだった』

最初ここを読んだ時、???ってなったんですよね。矢代って普通にネコちゃんじゃないですか?

普通なら考える時タチだけを考えるような気がするのですが、どうしてネコでもないという言葉が出てきたんだろう?って。

自分の中で矛盾が生じていない、しっかりとした気持ちだったからなのでしょうか?

でも影山にはそういう気持ちはまったく届かず・・・友達として一緒にいるだけで確かに矢代にとっては拷問だろうなって思います・・・。

影山は良くも悪くも他人には興味がない

ちょっと寂しそうな矢代ですが・・・きっとこういう人が好きなんだろうなぁって思ったりもしますよね。

そして余計に自分の存在を知って欲しい、俺を見て、反応してって影山には思っているような気がしました。

俺は今とてつもなく歪んでいる

ここが実はすっごく重要だと思ってて。

矢代は普通に影山に対して欲情している自分を「歪んでいる」と表現しているんですよね。

「ドMな俺」が「普通に欲情している」のは「歪んでいる証拠だ」と。本来その矢代の言っている歪みの方が「普通」なのだと思うのですが・・・

ここの「普通に欲情している」と言う言葉を読んで私は矢代のドMは好きな人には発揮されないものなんじゃないかって思ったんですよね。

「泣いてる顔を見るだけでわくわくした」「普通に欲情している」「泣かせて痛みつけてみたい」

これが心の奥にいるもう一人の隠された矢代なんじゃないかと・・・。

そして次の言葉も注目なんです。

『ただ、影山に拒否されたら俺は多分簡単に傷つくのだろう 確実に』

なんとなく・・・ドMっていうイメージがわかないですよね。簡単に傷ついちゃうんです。。。影山の反応が怖くてビクビクしちゃってすんごい弱々しいイメージが感じられます。

それを『明かに俺に生じた歪み』だと表現しているんですよね・・・。

本来の矢代(だと私は思っている)方を歪んでいるのだと多分思い込みたいのだとすごく思いました。

おもしろいですよね。むちゃくちゃ矢代の矛盾が描かれてて。

どちらも矢代なんだけれど、影山に対しての矢代とその他に対する矢代は全然違うんです。

そして影山のコンタクトケースも盗んじゃうっていうね・・・。好きな人の物が欲しいっていう・・・よくある感情ですよね。(盗んじゃいかんけど!!!!)

影山が俺を見ている

影山に彼女ができてしまいます。

矢代は・・そんな影山と吉川さんの後ろを歩いているんですよね(T^T)

演技が上手いから、顔色変えずに接する事ができても・・・心の中はぽっかりと穴が空いたようになっているんだろうなぁって切なくなります。

ズリネタがもうね・・影山だけじゃなくって影山と吉川さんになっているのがさらにツライ。

矢代と男の人がホテルに入って行く所をクラスメイトの目撃され、からかわれるのですが・・・

特に何に対しても興味などない矢代がすんごい反応するんですよね。

普通ならほっときそうなんですが。。。

なぜクラスメイトの子に反応しちゃったかは、『影山が見てたから。』

影山が矢代を止めにはいるんですけど、このときの矢代の表情が切なかったですね・・・。

影山には自分からもうバイだと言ってるし、知られたところでどうってことはないと思うのだけれど、「自分を見てる」って思ったら行動しちゃってたって感じでしたね。

気を引きたくて悪さしちゃう子みたいな感じ私は受け取りました・・・・。

影山にいわれのない共感を覚えられていたのだ

停学になってた矢代は2週間後に学校へ。

相変わらず矢代の隣には影山の姿がありました。

するとここで影山は矢代の事を「可哀想なやつだと思ってる」って言うんですよね。

「ひとりだからだと」。これは・・・もちろん孤独の意味もあるのですが、誰にも理解されないものを持ってるっていう意味なのかなって思います。

矢代は「バイ(ホモ)」で影山は「火傷フェチ」。。。

共感というのはこういうのから来ている言葉なのだろうと思います。

「俺はお前が大事だ 親友として」

このセリフ・・ツライですよね(T^T)親友ていわれたら・・・もうそれ以上には動けないじゃないですか。

むちゃくちゃなこともできないし、・・・矢代の笑いがまた切なくて。

恋しい 恋しくない

帰宅し、母親が帰ってきた形跡を確認する矢代。

窓を開け、そして窓辺に座ると・・・・自然と涙が溢れてきます。

『お前は ひとりだからだ』

ここはね、私なりの解釈なんですが「男の人」を好きになったことをはっきりと意識した場面だと思いました。

今まで「男も女も好きになった事はない」矢代が、初めて人を好きになり孤独を知った場面。。。

影山の「おまえはひとりだからだ」のセリフを思い出したのは、「好きになったのが男の人だった」というのをはっきりと矢代が思ったところだったんだろうなぁって。

身体だけはホモの生態に近づいてるんじゃなく、好きになったのも男の人だったと自覚した場面だとも思いました。(心の中ではね)

1巻では「人間を好きになった」と表現しているので、ちょっと難しいですけども(あってるか自信ないです(^_^;))

『人間は矛盾でできている』

寂しい・寂しくない 恋しい・恋しくないっていうので終わっているのですが・・・切ないですね。

矛盾を表しているのですからこのときの矢代が・・・寂しくて恋しいって泣いているんですよねおそらく・・・・。

矢代に百目鬼がいてくれて本当によかった・・・(T^T)

漂えど沈まず、されど鳴きもせず 感想まとめ

矢代の初恋が描かれてましたね。

なんとまぁ切ない感じですが、矢代は矛盾の塊だと思いながら読んで行くと、彼の本質というか・・・本当に望んでいるものが少しわかるような気がしました。

多分なのですが、好きになった人限定ではドMではないんじゃないかって思います。

どう考えても影山に対する気持ちと・・・ドMで変態な・・・は一致しないですから。

それに「人間は矛盾でできている」が最初と最後に出てきていますよね。こういう所で本来の矢代って全然違うんだろうな~って思います。

これから進むにつれてそういう矢代も読めると思うので楽しみです。

相変わらず長いけど・・・スミマセン★

電子書籍

囀る鳥は羽ばたかない 1

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