ゆき林檎さんの【少年と神隠し】のBLコミックス感想です。こちらはすでに電子配信も開始されていますが、紙で読みました。
楽しみにしていたゆき林檎さんの最新刊!おもしろかった。これから先、二人はどんな風に生きていくのかは想像でしかできないけど・・・幸せな人生でありますように。
残される方は辛いけど、再び巡り会ったように何度でも巡り会って恋をしていって欲しい。ちょっと切なくもあるピュアラブでした。(※ハピエンですけどね!)
少年と神隠し 作品紹介
作者名 | ゆき林檎 |
出版社/レーベル | プランタン出版/Canna Comics |
発売日 | 2019/3/28 |
藤雪の評価 |
内容紹介・あらすじ
和ノスタルジックな最新作が登場!
身寄りのない少年・修一郎を助けたのは、
天狗のような青年だった……。
作品のポイント
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- 身寄りのない少年と天狗のような男のお話
- 生まれ変わった男をずっと待ち続けていた
- 二人のその後の幸せを願わずにはいられない
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注意ポイント
【ネタバレ注意】少年と神隠し 感想レビュー
おもしろかったですね。すごくドキドキしながら読みました。最後までこの二人はどうなっていくのだろうと・・・
その先まで想像しながら読みました。
読後は幸せなんだけれど切なさも残していくような・・・「玉響」を読んだ時と似た感覚。
何度読んでもこの切なさはちょこっとだけ残っちゃうんですよね。不思議な作品です。
輪廻転生・天狗・・・ファンタジー要素を含みながらここまで読ませる作品はさすがはゆき林檎さんですよね。
巡り巡ってやっとテンも大好きな人に会えて幸せになったのだと思いたい。
これから先、人間である修一郎が先に逝ってしまってもまた必ず出会えると私は信じています。
お面をかぶった青年とと身よりを亡くした少年
祖母が亡くなり、身寄りのなくなった少年・修一郎は住んでいた村を出たあと、道ばたで倒れてしまう。そんな彼を助けてくれたのがお面をかぶった謎の青年・テンだった。
ここからテンと修一郎の奇妙な生活が始まります。
一緒に暮らすとなれば、そのお面は怖いということで・・・お面とるようにお願いされたテン。
お面の下はイケメン!はお決まりですよね。
本当にキレイなお顔。
無言のコマでも目線や表情が魅力的で作品に見入ってしまいます。
テンの顔を見た修一郎は、自分がよく見る夢に出て来る青年とテンがよく似ていると感じてしまいます。少しずつ謎を含みながらストーリーが展開してくので・・・ドキドキしながら読み進めていくことに。
実は、修一郎にはある能力があるんですよね。
「神通力」
死期が近い人二は黒い影が見えたり、人ならずものが視えたり。
テンはそんな修一郎と自分は同類なのだと言います。この二人が近づくのは必然だったのかな?と思うような展開。
でも実際は・・・もっともっと強い絆で結びついていたことが後にわかります。
テンの過去
面白いなぁと思ったのは、テンの過去の姿は全て修一郎を通じてわかるということ。
修一郎にはそういう能力が備わっているのだろうと思うのですが、読み終わってみると修一郎もまた、テンを探す能力を持っていたのではないかと思ってしまいます。
前半で、テンには想いを寄せる人が居たことがわかるの。
その人は男性で、その彼との出来事は・・・修一郎の夢の中でわかるようになっています。
テンの恋は本当に切ない。
貴族の出のテンですが、父親の不貞でできた子ということで4つの時に比叡の山に連れてこられます。
そこで上人様の稚児になるのですね。(このときの名は天玄てんげん)
彼とのエピは・・・本当に切なくて悲しくて・・・だからこそ、修一郎との話が生きてくるのですけども。
上人様への想いは・・・読んでいると本当に自然で・・・感情移入してしまいます。
テンがどうして天狗になったのかも、この上人様が関係しているので過去の部分は注意深く読んでみて下さいね。
上人様の想い、テンの想い・・・お互いに強かったからこその巡り会いなのかなぁと。
どちらを求めているのか
ここでネタバレを書いちゃいますが・・・修一郎は上人様の生まれ変わりです(*^_^*)
だからテンにとってはどちらも想い人なのですよね。
ただ、上人様の記憶を持っていない修一郎にとってはテンが見ている(想っている)のは自分なのかそれとも上人様なのか・・・という気持ちが生まれてくるの。
テンにとってはどちらも大切な人なのですけど・・・
そういう気持ちの揺れがまたおもしろかったです。
テンの気持ちもわかるし、修一郎の気持ちもわかるし・・・どちらの視点でも楽しめるなぁと。
途中で修一郎の方も、自分に想いを寄せてくれる女性を受け入れようとはするのですがやはりテンへの気持ちは強い。
その強さを後半爆発させるところが特にみどころです。
ずっと一緒には居られない
想いを確かめあった二人ですけど・・・いいことばかりではないのだなぁと。
テンは天狗になっているので、人間との時間の流れが違います。
修一郎は人間だから長生きしても100歳も生きられないかもしれない。
一緒に居られる時間が限られているのもそうだし、修一郎がまたいなくなって残されたテンが寂しい想いをしてしまうのではないかと読んでて切なくなりました。
だけど、限られているからこそ1日1日を大切にして一緒に居る時間も愛を囁き合って生きていくのかなぁとも思います(〃'▽'〃)
この二人にはずっとずっと一緒に居て欲しいけれど、多分それは叶わない。
また巡り巡って再び出会って何度でも恋をして欲しいなと・・・そうあって欲しいと願ってしまいます。
ラストはなんだかんだで切ないけど幸せそうな二人が読めて良かった。
テンにとっては上人様も修一郎も同じ人ですからね。テン・修一郎の上人様への感情の違いもなんだか面白い作品でした。
感想まとめ
とにかく綺麗なお話。
キレイでどことこなく儚くて切なさもあって・・・すごく読み応えのある作品でした。
やっぱりゆき林檎さんは素敵だなぁ。すごくイイお話描かれる。
玉響も幸せなんだけどすごく切なさもあって後を引く作品だったけれど、これもそう。
玉響ほど号泣はしないけれど、上人様の日記を読んだ時はじわっときてしまいました。
本当は上人様とも気持ちを通わせてほしかったのですが、年齢差もあるし立場もあるし・・・修一郎とテンだからこそくっつくことができたのだと思います。
上人様のテンに会いたいという気持ちも叶ってよかったですね。
この作品は、ファンタジー要素も含んではいるのですがすごく読みやすくて素敵。
ほぼエロなしなので初心者さんも読みやすいと思います。
ストーリー重視さんも楽しめるので是非!
こんな人におすすめ
ストーリー | |
あまあま | |
切なさ | |
エロ | |
総合評価・おすすめ |