木下けい子さんの『17 生徒』の感想です。こちら年の差BLになっていて、生徒くんの切ない片想いに胸がぎゅ~っと締め付けられてしまいます。木下けい子さんの作品の中では切ない系になるのではないでしょうか。明るめの作品が続いていたのですごく新鮮な気持ちで読みました。
そう・・・この作品続きものですのでご注意ください。コミックスだけを手に取ってみると、どこにも巻数が書いていないので1巻読み切りかと思う方たぶんいらっしゃると思うのですがCRAFTというアンソロジー雑誌で続いています。
17生徒/作品紹介
有岡敬広。17歳。高校三年生。
要領がよくて、見た目がよくて、だからいいかげんにやってもうまくやれてきた、これまでは。三島 真。26歳。高校教師。
真面目に、誠実に、言えない想いを抱えて、暮らしてきた。
ただの生徒と教師だったはずなのに、気がついたときには、好きになっていた……
生徒×教師のイノセント・ラブ!
[voice icon="https://snow-blmanga.com/wp-content/uploads/2017/04/17arioka.jpg" name="攻" type="r icon_blue"]
有岡敬広。高校3年生で17歳。[/voice]
[voice icon="https://snow-blmanga.com/wp-content/uploads/2017/04/17misima.jpg" name="受" type="l icon_red "]三島。地学教師。ずっと友人である津田が好き。[/voice]
注意ポイント
17 生徒/ここに注目して読んだ!
木下けい子さんは作家買いの作家さん。絵柄も独特なので合う合わないはあるとは思うけれどワタシにはすごく魅力的になんですよねどの作品も(〃・ω・〃)
大好きです。
ほんとのところ、切ない系は引きずってしまうのでハピエンを確認してから読むというヘタレなのですが(雑誌掲載を追っているモノは違いますよ)切ないところで終わっているとわかってても購入してしまいました。
こちら間違えないでくださいね。巻数書いてませんが続き物です。
ワタシがCRAFTでこの作品を読んだのが3話・4話だったと思います。続きものなのに読もうと思ったのは1・2話の2人のことを知らなかったので知りたかったというのもありました。1話・2話を読むと最初は軽い感じだったのですねぇ!
子供以上大人未満な微妙な時期を取り上げている
『17 生徒』ってすっごく印象的なタイトルですよね。
なぜこのようなタイトルというか、17歳にこだわっているのだろうと思ったら・・・
17歳って特別な年齢だなぁーって思います。この特別感が描きたい気持ちのまま描かせていただいたお話しです。
と書いてありました。17歳って大人でもない、かといって子供?と言ったらそれも微妙。高校生のど真ん中でまだまだ進路にも迷う時期。この時期の決定で色々と人生が変わっていく人って確かにいるのかなと思ったら特別な『17歳』なのかもしれない。
ワタシが自分の進路決めたのって確かにそのくらいだったかもしれませんね。
親から離れて自立したいという気持ちが強くなり、県外の大学を目指す決心をしたのも確かに17歳でした。おっとに出会ったのが18なので18には人生決まっちゃってたのかな(^_^;)って今となっては思いますけどね・・・。
その人しか見えなくなる・・・有岡のように『先生が欲しくておかしくなる』そんな感情を抱くのも確かにこういう若い時期なのかなぁ・・・って思ったりもしますよね。
大人になれば何だかんだいっても自制はできるし感情のまま突っ走るってことないですもんね。
作中でも好きかも?と思った瞬間に『性』の事を考えちゃうのも高校生らしい発想だなぁと思いました。
『17生徒』切ないと書きましたが半分くらいまでは実は軽い気持で読み進められるんですよ。
最初からすっごくシリアスな展開という訳でもないんです。前半と後半で全くテイストが変わってくるので本当に面白いなと思いました。
有岡の態度や表情に注目
へらへらと笑ってた有岡の顔が、徐々に真剣になり険しくなっていく様子もぜひ注目して読んでみて欲しい。
終盤に向けて一気に引き込まれていきます。それがね、若さゆえの暴走が終盤に入ります。
自分をコントロールできない未熟さ、自己中さが目立つんですよね。大人以上子供未満の部分がしっかり描かれています。
有岡は自分の犯してしまった間違いに気づき、どうしようもなく後悔します。そして必死に謝るのですが先生は「大人な対応」を見せながら彼の罪を許しても『彼」は拒絶します。
「こんなに先生の事がすきなのに」と涙する場面は本当に切なかった・・・・。
『好き』という気持ちがあれば何をやってもいいというわけではないですよね。
彼がやってしまったことの代償がとにかく大きい。彼にとっては『先生の大人の対応』も鋭い刃物のように突き刺さってしまいます・・・。
それでも先生の事をもっと知りたい、もっと近づきたいという彼の思いが最後の場面からは読み取れてきゅぅぅ~っと胸が締め付けられました。
本当に表情とか切なくて・・・一気に感情移入してしまいます。
(先生が好きなもの全部好きになりたい)
プラネタリウムを見上げながらそう思うこの場面が一番好きかもしれません(n*´ω`*n)
1巻ではまだまだ先生との関係は始まってすらいないんですよね。
完全なる有岡の片想いでそこには大きな壁が立ちはだかっている状態。ラスボスの津田と戦う前に自分で一発退場のようなことをしでかしてしまった彼がこれかどうするのか・・・。
きっとハラハラしながらぎゅ~ってなりなかがら見守らないといけないのでしょうね(´;ω;`)
描き下ろしの最後のページ・・・有岡の気持ちには本当にズ~ン・ズシリ・・・・。なんていう終わり方(ただし1巻の(;'∀'))。
これは本当に胸がぎゅ~ってなります・・・・。沈むけれど先が待ち遠しくて仕方ないです。
2巻は有岡の汚名返上のターンに是非なっていってほしい。
自分勝手ではなくしっかりと相手の事も想って、寄り添って、一緒に笑ってられる2人に最後はなっていると信じたいです。
三島の過去とのリンクにも注目
『17 生徒』は有岡視点のストーリーという訳でもないんです。三島先生もまた、同じように長年好きな人がいるんですよね。
三島はずっと高校からの親友が好きなんです。良い奴っぽいのですが、無邪気な顔をした悪魔のような人です(笑)
向こうは三島の気持ちはしらないから仕方ないですけどね。
作中では有岡の三島に対する気持ちや行動が過去の三島とうまくリンクして重なっていくんですね。
三島は有岡が自分に対して行った酷い行為も自分と重なるところがあるからこそ、一瞬受け入れ『同情だよ』と言います。
津田と三島・有岡と三島はリンクはする部分はあるもの、両方同じ結末ではなく違う結末になると信じたいです。
17 生徒/感想まとめ
今回『17 生徒』というタイトルはちょっと個人的には巻数つけてよねって思いました。CRAFT読んでいない人にとったら1巻完結の作品だと思いますヨね。最近BL作品でほんと多い!続きものなのに巻数ついていないの!!!ここは不満だったりするかもしれません。
内容的には、今回有岡はものすごい汚点を残しちゃったから、これから挽回していくのは結構大変だと思います。
でも若いからこその勢いはある!大人になったら怖くて気持ちが伝えられなくなっちゃうものだけれどきっと有岡はその点ガンガン行くと思うのよね。
この勢いと気持ちの深さはきっと三島の気持ちを動かしていくと思うの。
有岡のこのどうしようもなく好き!というのが伝わってきて今は辛いけれど・・・2巻では三島も少しずつ有岡に気持ちが動いていっているといいなぁと思います。
すごく面白かったです。
※作中には無理矢理関係を結ぶ描写があります。苦手な方は注意してください。そして、何度も書きますがこちらは続きものです。
17 生徒/電子書籍情報
17(じゅうなな)1巻その後のストーリーはこちら
[btn class="ghost big"]17 6話~のネタバレ感想