ここのつヒロさんの【花降るふたり】のBL漫画感想です。ここのつヒロさんは一番最初に『なびかないにもほどがある』を読んですごく面白いなと思いそこから作家買いしています。
今回紹介する『花降るふたり』はややシリアス展開。ダークな中に加久田のピュアさ、兄の素敵さがきらりと光るそんな作品。
主人公が加久田に惹かれ、罪悪感にを持ちながらも必死に求める姿にギュギュっとなりました。
加久田はほんとに純粋で良い奴なの。主人公が惹かれるのも納得。
シリアスめのお話が好きという人にお勧めの作品です。(恋愛的には一直線!ピュアです。)
【花降るふたり】作品紹介
作品紹介
直後、筆を折る。
秘められた真実──受賞作は盗作だったのだ。
やがて営業マンとなった水上は、同期の地味総務・加久田に 「大ファン」だと告げられる。
何も知らず、無邪気ともいえる 加久田の賛辞。水上は自分の忌まわしい過去を愛する加久田に 何の因果か惹かれてしまい、肉体を要求していくが…。
2人のサラリーマンに降り注ぐ繊細で残酷で美しすぎるラブストーリー。
大幅加筆修正。
ポイント
- 受けがピュアでまっすぐでキュンキュンする。
- 受にどんどん惹かれていく攻に注目。
- お兄さんがすごく素敵な人で良かった・・・
注意ポイント
【ネタバレ注意】花降るふたり みどころ・感想
主人公の水上には秘密がある。
高校生の時にある小説でデビューし一躍有名になったのですが、直後に何も書けなくなってしまいます。
それはどうしてか。
その作品が盗作だったから。
社会人になり同期入社の加久田が自分の本を大事に持っていると知った水上は・・・・。
宝物は盗作
水上は同期入社の加久田が自分の過去を知っていると知ります。
盗作の作品を「宝物」と大事にし、そして水上慧ァンだと言います。水上慧とは水上のペンネーム。
それを知っているのは・・・加久田が高校生の時からのファンだから。
実は受賞したときに大々的に報じられて顔出しもしていたのですね。入社して一目みて水上慧だとわかったという加久田。
自分が苦しい時にこの本に誘われたのだと言います。
加久田のピュアな心に触れ、どんどん惹かれていく水上ですが・・・加久田が見ているのは今の自分ではなく過去の「水上慧」だと感じます。
だからこそ口にしたのですね。
「お前の宝物 あれ盗作なんだぜ」と。
嫉妬の気持ちと、彼には言いたいという気持ちと色々な感情が混ざっての告白なのだろうなぁと思いました。
そして取引をするのですね。
自分の一番恥ずかしいことを告白してやったのだから変わりに加久田の身体をと。
加久田は本当のことを話す、という約束でこれにオッケーを出します。
お前の中の俺を書きかえてやる
今までは、自分の方を見続けるのであれば加久田の夢を壊すことはない、水上慧でいようと思ってた水上ではあるのですが、どうして「盗作」と告白したか。
それは加久田が水上の過去を愛しすぎているから。
それは『地上の陰』という水上の本。
だからこそ、彼の思い出を汚してでも今の自分を見て欲しいと思ったのだと思います。
でも、何がどう盗作なのか。。そういう核心には触れぬまま。
最後まで関係を持ったときに話すと言う水上。
二人はその後も何度か前戯だけして終るような感じ。
この辺りを読んでいると、加久田の方も水上に対してそれなりの感情はあるのだろうなと思えてしまいます。
水上は・・・加久田には特別な感情を持っているのはモノローグなどからわかります★
普通の友達に戻りませんか
加久田と水上は・・・取引とはいえ身体の関係(最後まではしてませんが)を持っています。
そうすると。。。バランスが崩れるのですよね。
今までの距離感と違うワケですから。
水上がパワハラを受けているのを目撃した加久田はもやっとするのですが、水上自身はよくあることだからと表沙汰にされるのを拒みます。
自分の日常を乱されたくないのだと言います。
水上の中に入りたいのに、そういう所はシャッターを降ろす彼に加久田は「普通の友達に戻りませんか?」と言います。今の自分には抱えきれないからと。
春の汀にまどろむ
水上慧の作品である「地上の陰」は実は水上兄の作品だったようです。
お兄さんが途中で放り投げたものを水上が作品として完成させ世に出してあげようと・・・ここには純粋な気持ちではなくて兄への嫉妬もあったのかなと私は解釈していて。
お兄さんは自由なんですよね。夢をとことん追いかけてる。好きな事にまっすぐなの。
でも、本気でやりたい純文学は落選続き。
そんな彼の夢や希望を奪いたかったようです。でも、盗作が受賞したときも兄は怒ったりは一切しなかったの。
怒るどころか、「すごいなお前!!」って。そしてこの作品はもうお前のものだよって優しく許してくれたのですね。
結果として、この許しにこれから水上が苦しむわけですが。
兄からは何一つ奪えず、毒が回ったみたいに何も書けなくなったと・・・
そのお兄さんは今ミステリー作家で成功しているようです。これが唯一の救いなのだと水上は言います。
ちなみにこのお兄ちゃん。。。ものすっごくお人好しというかイイ男なんです。
新作が兄弟のお話なのですけど、そのエピがちょこっとのっていてうるってきてしまいました。
二度と嘘はつきません
水上が「盗作」に関することを全て話した後、しっかり二人の気持ちは通じ合います。
そして身体も。
このときの為にとっておいたのか・・・というくらいエロイ。
加久田は水上に話してくれて嬉しかったと言い、もう自分も嘘は吐かないと言います。
「友達でいいなんて二度と・・・嘘つきません」
いやぁ・・・何もかもすべてぶちまけて、受け入れてもらって気持ちも受け取って・・・そこからの水上のスッキリとした表情が印象的。
兄にも連絡を取って色々なことを軌道修正できたかなと思いました。
これも加久田がいたからこそなのだろうと。
すごくいいBL読んだなぁって思いました。
何より、終わりに向けてのモノローグ的なものが兄の本の中身なんですよね。
兄が弟を思ってかき上げた本だというのはわかるのですが、すごく願いのこもった本でじわり。
色々な愛の形が読めた1冊でした。
感想まとめ
面白かったです。水上に関しては優秀だったかもしれないけどやっぱり屈折しているというか・・・歪んでるなぁと感じました。
そんな水上がまっすぐな加久田に惹かれるのもすごくよくわかる。
眩しいですよね。。。加久田って。
加久田のことを溺愛しているからこそ、盗作のことを口にしたのでしょうが、結果として自分も救われましたね。
お兄ちゃんとの関係も修復できそうで良かった。
兄がいい人すぎるからこそ、苦しんでた部分はあったのかもしれませんが、これから兄弟の絆も深めていってほしいなと思います。
兄の方も成功していてホっとしました。
水上のなかの重いものが無くなったので、これからはゆっくり兄とのこともそうですが・・・加久田とも愛を育んでいってほしいです。
加久田の笑顔は最高!基本的に溺愛攻ですよね(*^_^*)
ここのつヒロさんは最初読んだ時に超超超絵が綺麗!って思ったのがまず最初。
そして読ませるストーリー。
オススメです!今回はラストのエロもすごく良かったです。やっぱり合体は気持ちが通じあってからがいいですね♡
ストーリー | |
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