【憂鬱な朝8巻】作品紹介
作者名 | 日高ショーコ |
出版社/レーベル | 徳間書店 キャラコミックス |
発売日 | 2018/10/25 |
藤雪の評価 |
内容紹介
亡き先代の面影が残る鎌倉の地で、思い出す確執と擦れ違いの日々──暁人の渡英が迫る中、過去と向き合った桂木は「二年間は長すぎます」と本音を吐露してしまう。そんな真摯な桂木に、暁人は「一緒に英国へ行かないか?」と旅券を渡して…!?久世家を守り、未来を繋げるために、二人が歩んだ恋の軌跡、ついに感動の最終巻!!
注意ポイント
感想は以下より。ネタバレ含みますのでご注意ください。
【ネタバレ注意』憂鬱な朝8巻 みどころ・感想レビュー
終わってしまいましたね。暁人さまと桂木の気持ちはもう変わる事はないと、そこは揺るがないと思っていましたがどう最終的にこの二人の関係が描かれるのか・・・ そこが気になってました。
読み終わってみるとただただ感動。 ほんとうに素晴らしい作品。未読の方は是非読んでほしい。
10年間という長い連載でしたが、完走された日高ショーコ先生には感謝の言葉しかありません。
素晴らしい作品を読むことができ、幸せを実感しています。 先生本当にお疲れ様でした。10年・・・私は10年こうやって感想を書き続けられるだろうか?とふと思ってしまいました。
そのくらい同じことを根気よく続けるというのは大変な事なのですよね。
8巻は憂鬱な朝の集大成として申し分ない作品になってますし、素晴らしいとしか言いようがないです。
暁人様の成長、そして桂木の変化・・・一喜一憂しながらすごく楽しませていただきました。
憂鬱な朝がなかったらキャラセレも雑誌を読んでいなかったと思うので・・・ 雑誌を読むことでさらに好きになった先生や作品もあったりで私の好きな漫画の幅を広げてくれた作品でもあります。
今では憂鬱な朝が終わってしまってもキャラセレは楽しみにしている雑誌の一つになりましたヨ(o^―^o)
この憂鬱な朝8巻は、くっつくかくっつかないかとかじゃなく、二人で生きていくための未来に向かってが描かれています。 とにかく最高の完結巻でした!(語彙力(-_-;))
旅立つ者と残る者
未来の久世家のため、暁人様は書生たちを集めイギリスへ行こうとしていました。
2年間・・・2年間は長いのか短いのか・・・・ 新しい土地で学ぶものにとっては短いのかもしれない、でも待つ者にとっては・・・とても長い期間でもあります。
それでも、目的がはっきりしているためなのか・・・すごく穏やかな時間が流れている二人。
鎌倉邸に来て、桂木は初めてこんな風にゆったりとした時間を過ごしたのではないかなというくらいですよね。
暁人様はなんとなく自由人なイメージがあるしおっとりしている雰囲気からせわしなさは感じないけど、普段の桂木はすごくキビキビ行動しているイメージです(笑) 桂木にとっては暁直さまの想い出が詰まったこの鎌倉邸は避けてきた場所。
それでもこうやって暁人様のおかげで来ることができさらには気持ちを塗り替えることができたのはホントによかったなぁと。
元は。。。読んでみたら良かれと思っておこしたきくの行動が発端だったのかな?とも思いますが・・・これも運命。
あの蓄妾届の存在をもし暁直さまが最後まで知らなかったら・・・どんな風になってたでしょうね。
暁人様と桂木がこんな風に愛しあう仲にはなってなかったのかもしれない。
それとも屈折した考えにはならなくて、もっと穏やかに心を通わせていたかもしれない。。。
ここは分からないけど一つ言える事は・・・ 暁人様は桂木に出会って久世家のためには何が必要かを考える事ができるようになったし、桂木は復讐ではなく愛する人と同じ方向を見て生きていくという選択ができたこと・・・ それぞれにすごくプラスに向かっていったということ。
ここにくるまで当然衝突もあったし悲しくて涙したこともどうにもならないと諦めかけたこともありましたよね。
全部乗り越えての8巻の二人・・・これを読むだけでもう感動しかないです。
暁直様は桂木智之をちゃんと信頼していたと思う
暁直様と桂木の関係は・・・もう暁直様が亡くなっているので変える事もできないしどうだったか・・・
暁直様が本当にどのように思っていたのかは想像でしか語ることができないのですが、私はちゃんと情もあったし信頼していたと思っています。
暁人様を桂木に託したこと、桂木にしっかりと教養も色々なことを備えたこと。
憎いはずの桂木家なのに追い出すこともせず手元に置いたのは、「桂木」以前に桂木智之に惚れこんでいたからだと思います。
でも暁直さまの純血主義のお考えが、二人を引き裂いたというか亀裂を生んでしまったのだろうなぁと。
何より信じてた者(桂木家)の裏切りが許せなかったのかもしれません。
悲しいけど、その分暁人様が桂木を必要としそして愛し、さらには桂木の才能をも最大限に発揮できるようなところまで押し上げてくれたのかなと感じたりします。 きっと信頼しあっている二人を見て暁直様も喜んでいるのではないかしら。
総一郎さまのお見合い
これがずっと気になってました。8巻でやっと・・・やっと総一郎様の喜ぶ姿が読めました。 桂木は本来秘密主義。 桂木でなければきっと成し遂げることはできなかったと思います。 総一郎様に「味方」だと言った言葉に嘘はなかったということですね。 大好きな小ふさちゃんが目の前に現れたときの驚きと幸せそうな顔を見てすごく嬉しくなりましたヨ。
素直な桂木が読める8巻!
もうね・・・桂木の言葉や行動に逐一変な声が出そうになります。 なんだこのデレは!!!と。 そしてそう思った後に胸がぎゅ~~~って押しつぶされそうになります。 しばらく離れ離れになってしまう二人。 そう思うからこそ、素直になれるのかもしれません。 表情も穏やかで、寂しさも漂ってて。。。それを見るだけでギュっと・・・。
同じ時を刻む懐中時計
離れ離れになっても心は共に。 そして同じ時を刻んで共に古くなっていくもの。 暁人様が桂木に同じものを持っていたいとプレゼントしたものは懐中時計。
この懐中時計は8巻表紙も二人で手にしているのでじっくり見てみてくださいね(⌒∇⌒)
そして、暁人様はそれと一緒に桂木の英国への旅券も渡します。 離れるのが嫌だ一緒にいたいんだと口にする暁人さまに対してなんとも言えない表情の桂木にギュっとなりますね。
ちなみに・・・このシーンは雑誌とは少し角度やセリフが変わっているのですが・・・・ワタクシ雑誌持の方が表情は好きだったりします。
雑誌はちょっと暁人様が甘えた感じでコミックスの方が必死に訴えている様子は出ているのですが。。。。
甘えた顔の暁人様のほうがきゃわわ(⋈◍>◡<◍)。✧♡って個人的にはなります。
あと桂木も正面よりはちょっと斜めの角度の雑誌が好き★キャラセレ7月号(2018)を持っている人は是非見比べてみてくださいね。
44話は雑誌と見比べるとほんとうに面白いので。
前後しているシーンとかあって、あぁたったこれだけでこんなに印象が!?とびっくりしたり。
こういう気づきは雑誌読者の醍醐味かもしれません★
その他いろいろと加筆修正がしてあり、先生の完結巻への想いも伝わってきます。 雑誌と交互で読んでたりして1巻読むのにだいぶ時間かかってしまいました。でもすごく楽しい時間でした。
桂木智之として
旅券を受け取った桂木ですが、結局英国へは行かない決断をします。
それは自分の進むべき道がわかったから。 桂木を必要としている人は暁人様だけではないのですね。
桂木にも人を従える能力も先見の明もある。 そしてそんな桂木が自分のすべきことをすると決心したのにはある思いがあったからなのですよね。
共に生きるために桂木が選んだ道。
これは暁人様も桂木の想いを受け止めます。正直、そうなることはある程度予測できてたのかもしれませんね。
高之様も雨宮も桂木が英国へいくはずないと思ってたくらいですから。 行かないと決めてから、暁人様の出港まではほんと濃密な時間になっているのでここはかなりの注目どころ。
あと!何気に高之が桂木智之の事をわりと理解していて嫌い嫌いも好きのうちで好きだったんじゃないのかな!?って思いました。
もともと、祖父を尊敬していた高之ですから似ている智之に関しては悔しいという思いもあったのかもしれませんね。
一度蟠りが解けて味方になれば・・・なんかとても相乗効果を生む兄弟なのではないかと思います。
真ん中の兄が一番中立で冷静に物事を見ているのもまた面白いですよね。三者三様。。。またこの3人の会話とか読んでみたいなと思ったりもします。
明かされる真実
終盤、桂木智之の父が誰だったのかがわかります。
ストーリーが始まって、ずっと桂木智之の父は久世家先々代だとされてきましたが・・・ここはミスリードでしたね。
桂木智之の父は久世家先々代ではなく、桂木高正の父だったという事実。桂木家先代が智之の父だったわけです。
そう思ったら桂木高正もどんな気持ちで本来腹違いの兄弟となる智之を育てきたのでしょうか。
めきめきと頭角を現わしてくる智之を見て、自分を比較して生きてきたかもしれないと思うとなんだか切なくなったり。
そしてワタクシ、自分ではこう!って思ってたけどなんかよくわからないなぁ~って思ったところもありまして。
高正は桂木智之を自分と正妻の子として育ててきたと思っていたのですが・・・桂木家では高之たちが大きかったので義弟扱いであったとしても戸籍上はもしかしたら???と考えてました。
でも戸籍上もしっかり義弟なんですね。(8巻会話から) ということは、戸籍上は義弟(でも表向きは高正夫婦が生んだ子)として暁直様が迎えたことになりますよね。
基本的に暁直さまは純血主義。
それを考えると、暁直様には高正と妻(暁直様の従姉が生んだ子)として紹介したであってますよね!?!?
高正の妻が久世家本家の出というがどこかで出てきていたのと、暁直様は最初智之を高正夫婦の子だと信じてる描写があるのでこの解釈であっているとは思うのですが・・・ふとあれ???と思って考えたら混乱してしまいました(笑)
その後、きくの話と蓄妾届の存在を知り桂木家に怒りが向いていたとなると暁直さまは騙されたと憤慨したんですよね?(今更なおさらいですみません)
これは久世直弥が本妻をないがしろにしていたから暁直さまが知らなかったという事なのでしょうかね。。。
久世直弥は蓄妾届もいくつか出してたみたいですしね・・・ その後、生まれた子の事実をどれだけ久世直弥が知ってたかしらないけれど、智之の出生の秘密は久世直弥と桂木家だけの秘密になっていたのだと思います。
何となく、最初から戸籍上は義弟となっているのであれば養子にする時にすべてバレるんじゃないのかな?って思ったりもしたのですが・・・不思議です(;'∀')
一度久世の叔父のところへ・・・みたいな描写があったのでそれをするとわからなくなるのかな。。。。戸籍ロンダリング!みたいな感じで。。。
高之にも誰の子か知られていないのを見ると、高正の徹底ぶりが窺えます。
そして、病床であるにしても暁人様に真実を話したことできっと・・・肩の荷もおりたんじゃないかなと思います。
もしかしたら暁人さまと血のつながりがあるの?ないの?なんてハラハラしながら読んできましたが。。。結果としては桂木家先代と知津の子だったんですね。
はっきりわかってとてもスッキリしました。
父母がしっかりわかっていれば、暁直様が桂木を養子に迎えようと家に呼ぶことはなかった筈なので、本来ならば交わる事はなかった二人。
運命ですよね。。。
「生まれてきてくれてありがとう それだけしか思わなかったよ」 そう桂木に言った暁人様。
本当にそうだと思いました。そしてそれは桂木自身も暁人様に言える事で。
彼がいなかったらきっとこんな前向きになる事もなかったし、自分の道を決める事もできなかったはず。
2人はそれぞれかけがえのない存在なのだなと思いました。 ここまで読むともうね・・・・周りもそうだけどあの二人なら。。。って納得しちゃいますよね。
あの時代で男と男、しかも当主が・・なんてなりそうですけど過程を知っている人はみな仕方ないなって思ってます(⌒∇⌒)
これだけ納得のいくBLってそうそうないと感じました。
桂木の寝顔
最後に桂木の寝顔が見れて良かったね(o^―^o)って読みながら思った箇所がありました。
桂木はいつも暁人様が起きる前に起きて部屋からいなくなってるのが恒例でしたけど・・・・ ラストにこんなに美しい寝顔が拝めるとは・・・
とっても嬉しそうにしてる暁人様を見てまた嬉しくなってしまって。 何年も一緒にいるのに、暁人様にとっては初体験の喜びでしたね(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
憂鬱な朝
私が感じた「憂鬱な朝」というタイトル。
これは出港日の朝の事だったのだなぁ。
最初このタイトルを見たときに、暗い話なんだなぁ・・・・うん・・・って思ったのを思い出します(笑)
実際は、憂鬱な朝は朝なのだけれど新しい自分たちが始まる朝でもあるんですね。
行きたくないな・・・でも行かなければ・・・ 行かせたくない・・・でも進まなければ・・・ そう思いながら(妄想です(笑))愛しさを膨らませていく二人がねたまらないですね。
最終話は本当に「憂鬱な朝」でした。
ずっとなんで憂鬱な朝っていうタイトルなんだろ怖いんですけど・・・って思って追いかけてきましたが、確かに! 納得のいく答え合わせ。
スバラシイです。 これを読むともうラストはある程度決めていて、タイトルを付けていたのだろうなぁと思うと作家さんのすごさを実感します。
出港し、一人船内で涙する暁人様には・・・私も涙。
あれだけ濃厚な日を過ごし、別れを惜しんで船に乗って・・・恋しくないわけないですよね。
今までずっと桂木の存在は感じてきたけど、これからは何かあっても駆けつけられない距離になります。
並大抵ではない桂木への想い
これね・・・感動するところなんですけど私・・・読んだときに笑っちゃいました。
暁人様・・・二年間毎日桂木に・・・手紙を書いて出してたんですって。 すごすぎる!!! やっぱりどこに行っても暁人さまだなぁとキュンキュンしました。
2人で共に
2人で後継者を育てるというところまで描かれるとは!!!びっくりしました。
登場したのは直継様の子供ですね。 直継様は自分の意志で久世家を離れたけれど、子供はそうではないのかもしれない。
だから自分の子供にも選ぶ機会を与えてほしいとお願いされていたと思います。
暁人様と桂木は直継様の子である直矢様を久世家に迎えます。 ラスト、手を取り合って屋敷の中に入っていく暁人様と桂木は・・・・・キュンでしかなかった。
なんか涙。 終わってしまったなぁ・・・と嬉しいような寂しいような。
当主争いするのかなと思った1巻ではありましたが、8巻は・・・二人で当主を育てていくだなんて。
なんてできたストーリーなんでしょうね。 争うのではなく育てる。暁人さまらしい答えでした。
感想まとめ
先生のあとがきを読んだら、最後の「憂鬱な朝」の部分は少し変更があったようですね!
桂木が暁人様を好きになりすぎてベッドから出てこられない男になりましたとかかれていて。。。いえいえ、出てこれないほうが好みです!!!って一人突っ込みしてました(笑)
そして私は。。。最後にもっと驚きました。
担当さんが最初から最後まで同じだったということ。 担当さんにも拍手拍手です。
作品は先生たちの力はもちろんですが、縁の下の力持ちがいないことには成り立たないです。
憂鬱な朝を担当された担当さんは。。。本当に大変だったと思いますがその分神作品が出来上がってきっと達成感もスゴイだろうなぁって思います。
私にこんな神作品を読ませてくれた日高ショーコ先生、、、そして担当さん、、、またまた影の功労者であるアシスタントの方々。 心から感謝感謝です。
ありがとうございました。
きっと何年経ってもこの作品は私にとっては神作品。
そして読み返し続けていく作品だと思います。 感想が長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
ここから下は特典の感想ですので気になる人のみ進んでくださいね。
電子書籍
憂鬱な朝8巻
特典の感想
今回私は、アマゾンと・・・アニメイトとコミコミさんは「日に流れて橋に行く」の2冊同時購入で特典をGETしました。
アニメイト特典は日高ショーコ先生のミニカレンダー。
すごくキレイ。
一番好きなのは5月6月の絵。 憂鬱な朝のイラストなのですが、8巻41話の扉絵の絵ですね。これがカラーになっています。
淡い色でそれがすごく好みです。 日高先生だから。。。どの絵柄も素晴らしいですけどね。勿体なくて使えない。
さらに単品ではペーパーが付いてきます。ペーパーは・・・なんかクスっとなりました。暁人様らしいし桂木らしい(笑)
コミコミさんはクリアファイル。 憂鬱な朝と日に流れて橋に行くの両方が描かれているクリアファイルでした。これももったいなくて使えないわ。。。。
それぞれの表紙のイラストでした。
そして、コミコミ特典として(こちらは単品でもついてくる特典)リーフレット。
これは、これまでの表紙や扉絵などの秘蔵ラフ画。 ラフ画ですでに完成度高し。
こちらのクリアファイルはまだコミコミさんでいけると思います。 アニメイトのカレンダーはもう配布終わっています。 と言う事で。。。。本当にこれでおしまいです。
読むのも疲れたと思うので目薬さしてくださいね(。-人-。) ゴメンネ
お付き合いくださりありがとうございました(⋈◍>◡<◍)。✧♡