麻生ミツ晃さんの作品です。すごくお気に入りの1冊。コールドシリーズでちょっと痛い系が好きな作家さんかと思っていたのですが、あたたかさのある作品にぞっこんになってしまいました。。一途に想う気持ちは素敵なモノだと感じることができるストーリーだと思います。
今ブログの整理をしていて、そういえば好きなのにこちらには感想書いてなかったなと思ったので少し前の作品ではあるのですが、これからBLマンガを好きになってこのブログを読んでくれる人のために過去の作品もどんどん感想UPしていこうと思います。
こちらはラストでタイトルの意味が分かるというスタイル。本当に意味がわかったときの衝撃は今でも忘れられません。
彼が眼鏡を外すとき/コミックス情報
内容紹介
親友の一太が転校生の男子とただならぬ仲になったことを悟り、
胸がざわめく巴。その正体がわからないまま、思いは心の片隅に淀んでいく。
そんな折、ささいなことがきっかけで一太の弟である賢次に懐かれる。
二人で会うようになるが、ある日、
一太への気持ちを指摘された上に、自分への恋心も告げられ――?
揺れ動く思春期の痛いくらいに一途な恋。
作品のポイント
- 幼なじみBL
- 2組のカプ収録
- 兄×転校生、弟×兄の友人
- エロは少なめ
注意ポイント
ピュアな一途愛なので読後もすごく幸せな気持ちになれると思います!
【ネタバレ注意】彼が眼鏡を外すとき 感想
麻生ミツ晃さんはとっても繊細な作品を描かれる作家さんだと思います。ハマる人はハマる!!!ワタクシもその一人で本当に大好き。
切ない作品もあれば激しい作品もあるけれど、それでもそれぞれの心情が伝わってくるから気付けば作品に入り込んでるのですよね・・・。
ストーリー重視の方には是非とも読んで欲しい作家さんです♪
今回紹介する「彼が眼鏡を外すとき」は2つのカプが収録されていてどちらも面白い。独立したストーリーでもあり、また関連したストーリーでもあり・・・。
- 1作目は芹沢(兄)・一太と転校生の土屋のエピ。
- 2作目は一太の親友の巴と一太の弟賢次とのストーリー。
2作品目は1作品目と時系列が重なっているので、きっと読みやすいと思います。
そして実は兄の友人である「巴」が重要人物。
彼は最初、一太に特別な感情があったのですがそれがいつしか賢次(弟)へと向かっていきます。賢次の巴への一途な想いに絆された、という感じでしょうか(n´ω`n)
カップリングに関しては、やはり賢次と巴のストーリーが好きかしら。やはり一途な作品が好きなので☆
表題作である【彼が眼鏡を外すとき】というのは1作品目のタイトルではなく、賢次と巴の話なのですヨ♪
実は作品は冒頭から誰かが眼鏡を外すところからスタート。そして次ページから2年前に遡るという面白い構成なのです。
あの眼鏡の子は誰だったのか?最後の最後までわかりません。
最後にやっと冒頭の謎が明かされ、その答えに感動。
まさか彼がこんな感じになったとは!という衝撃もあるし、彼が眼鏡を外すそのワケにもうるっと来てしまいました。
ぜひ・・・眼鏡の子の事を気にかけながら読み進めて行ってほしいです。
好きなポイント①賢次の健気さがたまらない
何が好きってね、賢次の健気さがたまらんです。
賢次はおそらく巴の話し方などから巴は一太(兄)が特別なのだとわかっていると思います。
だからこそ「いいなぁ、お兄ちゃんになりたいなぁ」という言葉が出てきたのだろうなと。
嫉妬とかそういうのではなく純粋に巴に特別に想われているお兄ちゃんが羨ましい、と感じているのが伝わってきます。
賢次はその後も一途に巴を想い続けます。こんな健気な賢次がいるからこそ、一太の事では傷ついた巴だったけど救われていくのでしょうね。。
人を好きになる気持ちはきっと素敵なものなのに
一太と土屋の関係を気持ち悪いと表現した巴に賢次が言った言葉。
賢次は巴が一太のことを好きだというのには気付いているのですが、言葉で否定する彼に『人を好きな気持ちを否定するのは寂しいし悲しい』と訴えるの。
巴のマイナスな感情は、自分がフラれるよりも悲しいと・・・・。
この時の賢次の泣きじゃくり方が本当に胸に響きます。もうギュギュっとなります。先生お上手だなぁと感じた箇所の一つですね(*^_^*)
最後に一枚の枯れ葉が落ちていくのが本当に悲しく寂しい。賢次の気持ちなのか巴の気持ちなのか・・・と考えてしまいます。
巴の気持ちが変わっていく
賢次が泣きじゃくって訴えた事はしっかりと巴の胸にも響いてましたね。
あれから、巴の心の中にはしっかりと賢次の存在が。
自分にできることは・・・そんな事を探しては賢次の受験がうまくいくように祈る巴。もう巴の中では賢次>一太になってる。
受験が終わったら会いに行こう、あれからの自分の中の変化を知ってもらおうと決心した巴には思わずエールを送りたくなりました。
好きなポイント②兄ちゃんの代わりになれませんか?
賢次が巴にいうセリフで「お兄ちゃんの代わりになれませんか?」っていう場面があるのですが・・・ここは巴じゃなくてもぎゅって・・・ぎゅ~~~~~~~って賢次を抱きしめたくなってしまう場面だと思う。
賢次の健気さが切なくて。さらに賢次が言うの「お兄ちゃんいこれからもっと似るから」って(´;ω;`)
おまえでなきゃ嫌なんだよ
そう巴に言われた時の賢次が・・・どんな反応するのかな?と興味深かったのですが、泣くとかそういうのではなくただ静かに抱きしめ返すの。
想像してたのと全然違ってびっくりしました。もっと賢次なら泣いて喜ぶと思ってたので。これもね、最後まで読んでやっと理解できたように思います(´;ω;`)
ただ・・・この場面に描かれていた静かな静かな雪の日。雪が降り積もっていくようにきっとこの2人の気持ちもここから積み重なっていくのだろうなと思わされた箇所でした。
好きなポイント③彼が眼鏡を外すとき、の意味がわかった瞬間
最後の最後でこのタイトルの意味がわかります。
巴は・・・賢次でなければ嫌だと言いました。だけれど賢次の中ではお兄ちゃんに似たいそういう気持ちがずっと心の中にあったのだと思う。
鏡を見ながらぼそりと賢次が言うの。
「思ったより似なかったなぁ」
賢次のこの言葉を聞いてしまった巴は、今まで一緒にいた2年間を思い出すのですね。彼の何を見てきたのだろう?と。。。
実は賢次は目が悪く、巴と一緒に居ないときは眼鏡をしていたの。
巴は彼が眼鏡をしているなんてこの2年間知らずにいました。このあたり・・・賢次が健気というよりどうしようもなく愛しくなる場面ですね(´;ω;`)
どうして眼鏡をしなかったか、という疑問をもつかと思います。それはね・・・
成長して身体も大きくなり、そして目も悪くなって・・・一太とはかけ離れてしまった。
一太になりたいと思っていた賢次は彼なりにきっと悩んでいたのでしょう。だから眼鏡だけでもかけないようにと巴の前では裸眼だったのだと思います。
賢次が自分に隠しことをしていたことを知り、巴はきちんと自分の気持ちを賢次に伝えるの。
賢次が好きだよ 誰よりも一番好きだ
そう言われて初めて巴の前で眼鏡をかけた賢次の目からは涙があふれ出ます。本当にこの場面は何度読んでもワタクシ目から涙が。
この2年間、「お兄ちゃんの代わりになれませんか?」と言ったあの日から・・・賢次は賢次なりに必死に頑張ってきたと思うから。
最後の最後、巴の前で眼鏡をかけたことでやっとお互いの気持ちが通じ合ったのかなと思える描写もスバラシイなと思いました。眼鏡を外している間はきっと賢次は一太になりきっていたのかもしれません。
眼鏡をかけてやっと、、、やっと「賢次」として巴の前にたったのかなって思います。
描き下ろしはぜひぜひ読んでもらいたいです。賢次がかわいくてすごく愛しくなる描き下ろしだと思います。
感想まとめ
すみません、どうしても巴と賢次が好きなので感想がこの二人中心になってしまいました。
もちろん一太の話も面白いです。
まずこのコミックスを読んで思ったのは、一途に相手を思うことって素敵だなと。
始まりからすぐに2年前になるのであれは誰だったんだ?と思うかもしれませんがその「誰」というのがわかったときにはもうウルッとするしかなかったです。
自分のカラダが大きくなるにつれてきっと賢次も不安で不安で仕方がなかったのだと思う。この作品は賢次の身体もだけれどしっかりと2人の気持ちも育っていたというのが個人的にはすごく好きです。
この作品を読んでから、麻生ミツ晃さんの作品を読みあさりましたが・・・本当に今では作家買い。
絵柄も素敵ですが本当にストーリーでも魅せてくれる作家さんなので未読の人はぜひ。ただ、コールドシリーズは原作がありますので・・・・
ちょっと痛いところがあるのでコールドシリーズは好みわかれるかも。それでもあの作品も先生の繊細な絵柄がすごくマッチしていると思います。ワタクシ・・・本来ならすごく苦手な痛い感じのBLですが・・・
コールドシリーズは小説まで読みました・・・コミカライズは好きな方ではないのですが、マンガを読んでもっと詳しく知りたいと思うようになって小説を読むという流れで。
この小説がまた面白くて。『COLD THE FINAL』はもう何度も読み返しています(一番幸せな最終巻なので)☆
まとめだというのに話が脱線してしまいましたが、賢次の存在にキュンとなるので純愛系・一途系のボーイズラブ漫画読みたい人はぜひこの作品読んでみてください。イチオシです!!
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