ナツメカズキ

オススメ同級生BL漫画!【バイ・マイ・サイド】ナツメカズキ/BLコミックス感想

ナツメカズキさんの【バイ・マイ・サイド】が東京漫画社から2019/9/20に発売されました。こちらは2016年からシェリプラスで連載されていた作品ですが、全編改稿・描き下ろしを加えた形で東京漫画社さんでの出版になりました。

やっと!やっと読めたのですごく嬉しいです。とても好きなテイストで最終回を待ち遠しく思っていたので・・・結局雑誌では最終話は掲載されず、今回のコミックスで初めてふたりの結末が分かるようになっています。

とても面白かったですね。ナツメカズキ×東京漫画社だとちょっとダークなイメージの作品が印象として残っているのですが(2作品がヤクザ系だったため)、今回は長年の腐れ縁である同級生のBLです。

【バイ・マイ・サイド】作品紹介

バイ・マイ・サイド

作者名ナツメカズキ
出版社/レーベル東京漫画社/マーブルコミックス
発売日2019/9/20
藤雪の評価

電子試し読み

電子はまだ未定

作品内容

初めてふれる、親友のカラダ。
くされ縁、16年目の結末。

罪作りなノンケ親友×健気な隠れゲイ

料理人の左京と花屋勤めの右山は、高校からのくされ縁で、
今では同じアパートの隣人同士。
クールだが面倒見の良い右山に、左京は何かと世話を焼いてもらう日々だったが、
ある昼下がり、右山が自分の名を呼びながら自慰をしているところを目撃してしまい……。
「…俺たち、ダチだよな…?」
友情と恋のはざまで揺れ動く、不器用なふたりの16年が、
全編改稿・大量描き下ろしで待望のコミックス化!

ポイント

  • 16年来の腐れ縁・同級生BL
  • ノンケ×隠れゲイでノンケくんのほうが終盤はグイグイ。
  • 二人をつなぐアイテムあり
  • 基本的に切なさ多め。

注意ポイント

感想は以下より。ネタバレ含みますのでご注意ください。

ネタバレ注意【バイ・マイ・サイド】感想

ボリュームもたっぷりで読み応えありました。腐れ縁から恋人にという展開が好きな人はハマるのではないでしょうか。急にくっつくとかではなく、くっつくまでも色々あって読み応え抜群です。

二人が気持ちを確かめあうのは本当に終盤なので、関係のが徐々に変化していく過程をすごく大事にして描かれているなという印象を持ちました。

主な登場人物

左京千代(攻)


26歳で料理人。優しいけどズボラ。右山の気持ちには気付いていない。

右山 圭(受)


26歳で花屋勤め。隠れゲイで高校1年からずっと左京が好き。

10年来の腐れ縁

腐れ縁だからこそ、壊せない関係がある。それが軸にあった作品だったと思います。

右山は高1の時からずっと左京が好きなのですが、気持ちを伝えたいとかは思っていなかったと思う・・・

というのも右山がゲイだと自分で気付いたのは中学時代。その時告白した人にバラされて肩身狭い想いをしてきたという過去があります。

だから自分から告白して左京とどうこうなりたいなどとは考えない、でも隣にはいたい。だからずっと腐れ縁的な関係でも側にいたと思います。

そんな二人の関係が崩れはじめたのは、右山が左京の名前を呼びながら自慰をしていたのを左京が見てしまってから。

何事もないように振る舞うけれど、どうしてもその光景が頭から離れなくなってしまいます。

そして二人で飲んだ時にお酒の力もあり、右山が自慰していた時のことを話す左京。

すると右山は自分だけ見られたなんて不公平、お前のも見せろと言って・・・

右山は左京のモノを咥え「お前は酔っ払いに絡まれてるだけ」そう言って続けます。明日には忘れている、今だけだと。

高校時代の回想が甘酸っぱさをプラスする

腐れ縁とか同級生BL、幼なじみBLの醍醐味というか、やはり過去の回想が入ってくるのが個人的にはとても好きなのですよね。

その時々の純粋な気持ちが読めて、とても甘酸っぱい気持ちに。

右山、左京の回想もとても甘酸っぱさがありよかったです。基本的には右山が一方的に想いを寄せているので右山視点のものが多いです。

高校生の時、お互いには彼女はいたようですが右山に関してはカモフラージュのため。

そして、大人になっても度々登場してくる右山の手袋。。。これは左京からもらったものだというエピが入っています。

もらったときの右山の反応にギュギュっとなる人多いのでは!?と。

右山の気持ちに気付き始めてから・・・

自慰の件もそう、口でのご奉仕の件もそう。。。色々と総合的に考えると右山は自分の事がすきなのでは?と左京は思うようになっていきます。

「クソっ 何だよ・・・!!10年間一度もそんなそぶり・・・!!お前はいったい何なんだよ!!」

右山の事を親友だと思っていた左京は動揺するのですが、ちゃんと話してみないとわからないと右京の部屋へ。

でも結局はなかったことのように振る舞う右山を見て、嘘までついて元通りにしたいのかと・・・。

でも、一度意識し始めたらどんどん右山が心の中に入り込んできてしまいます。

合コンに行っても右山と重ね、結局は自宅で右山との事を思いだしての自慰。

意識し始める左京だけれど右山は相変わらずツンツンなのですよね。でもふとした時に左京が右山に触れたらさぁ大変!

一気に赤面してしまって。それだけで左京に気持ちがバレてしまってもおかしくないくらいに。

左京はどんどん右山が可愛く思えてきてしまいます。

この気付き始めてからのキュンがけっこうあって右山がかわいいなと左京でなくても思ってしまうと思います。普段ツンなのにちょこっと触れられたら赤面したり、すごくかわいい。

左京の嫉妬

実は一人当て馬が登場します。それは右山の仕事関係の人。

右山は花屋で働いているのですが、けっこうアレンジとか評価高いようでして。

ウェディングプランナーの金子さんという人が右山に近づいてきます。

この金子さんがかなりいいスパイスなの。

ちょいちょい左京に刺激を与えてくれて。焦った左京がやや暴走ぎみになってしまいましたが。

右山が何事もなく友人を続けているのに、左京は嫉妬もあり・・・右山が自分(左京)で自慰をしていたことを話し、俺の事が好きなんだろ?と言ってしまいます。

右山は・・・「お前なんか好きじゃねぇよ」と答えるけど、これがまた左京には気に入らないの。

まだ認めないのか!みたいな感じでしょうね。

右山にキスをしたり。

左京はこれからも右山と一緒にいたい、でもこのままでは友達でいられなくなると伝えます。

でも、右山とだったら恋人にだってなれると言おうとしたときに右山に言葉を遮られるの。

「やめろ・・・っ 勝手なことを言うな」

もし付き合ってその後に左京に好きな女性ができたらどうするのか?と。

結婚がしたくなったら?子供が欲しくなったら?左京が今までしてきたような女性との恋愛とはわけが違うんだ、という右山。

気の迷いだったと言われたら、その時は立ち直れないと訴えます。

「お前に嫌われたら 俺はもう・・・っ」

涙と流す右山のシーンは読みながら感情移入してしまってぐっときてしまいました。

ここから距離を置こうとする右山と、距離を詰めたい左京の駆け引きが始まっていきます。

ノンケ×ゲイの組み合わせだと、気持ちを伝えるハードルも高ければ・・・右山が言うようにノンケ側がまた女性を好きにならない保証もない。

ずっと不安で過ごしていかなければいけないし、捨てられたら立ち直れないのもすごくわかります。

気持ちを隠していればずっと親友としてそばに居られたのにと後悔も出てきますし。

結局右山の出した答えは「ずっと友達でいてくれよ」でしたね・・・

仕事でNYに行くことを決めたので(金子さんの誘い)元に戻るには充分な距離・時間だと思ったのかしら。。。

そう右山に言われて、騒ぐわけでもなく静かに自分の気持ちを飲み込んで見送ろうとする左京に次は感情移入。

手袋とオムレツ

そのままNYに行ってしまうかと思ったのですが、ここは地味に金子さんが活躍してくれました(T^T)

自分の気持ちを押し殺して、自分が傷つくのが怖いからと前に進むのを拒む右山に、まだ右山は左京の事が好きなようにみえる「本当にこのままでいいんですか?」って。

その言葉があったから、別れ際に「俺・・最後にっ 食いたかった お前の・・・オムレツっ」って言葉が出てきたのだと思います。

このオムレツは高校時代の回想に出てきます(*^_^*)

オムレツはおそらく左京にとっても思い出の食べ物なのですよね。右山はこのオムレツが好きなのもありますが、自分の将来について迷っているときに背中を押してくれたのが恐らく右山の言葉だったのかなあと。

料理人になりたいけど反対されてる、趣味くらいにしとくのがいいのか・・・という左京に「お前ならなれると思うけどな 俺は好きだよ・・・お前の料理」って右山が。

きっと今左京が料理人しているのもこの言葉に支えられた部分もあるかと思います。

そしてもう一つ重要なアイテムがあって。それは手袋。

これも高校の回想で出てきます。左京が右山にあげた手袋なのですね。それをずっとずっと修繕しながら使い続けているの。

ボロボロになった手袋をみて「もう捨て時なんじゃないですか?」と言いながらも捨てずにずっと持っているものです。

ラストにちゃんとこの手袋が登場して嬉しかった・・・

そばにいるのがお前じゃなきゃいやだ

出国する日がやってきます。この時仕事だと言っていた左京ですが、右山のためにオムレツをつくって来てくれるの。

それを食べながら「うまいよ」と涙を流す右山。

左京はそんな右山を見て、右山の抱えていることにちゃんと言葉で返してやれないかもしれないけれど、ひとつだけはわかったと言います。

「そばにいるのがお前じゃなきゃいやだ」「お前が好きだから」

と。ここで搭乗手続きの時間がやってきました。

「長居しすぎたな」と立ち上がる左京を右山が引き留めます。

そしてずっと言えなかった言葉を口にするの。「好きだ」って。

「・・・逃げてごめん もう逃げない」

そう言って二人はキスをするのですが・・・このまま出国せずに日本にいればいいのに~と思ったら。。。それとこれとは別でした(≧∇≦*)

右山はその後NYへ行きます。

最終話は結局のところ・・・思いは通じ合ったけど、離ればなれにはなったみたい。生きて行くには仕事は大事ですしね★

描き下ろし

雑誌で最終話とかがあったわけじゃないので、実質的な最終話は5話ではなく描き下ろしの【BY MY SIDE】がそうなのかもしれません。

これはNYが舞台になっています。右山はずっとNYに住んでいるみたいですね。出国してから6年が経過しているようです。

その間、左京もまたのれん分けで自分のお店が持てるようになったのだとか。

記念すべき自分のお店をNYにするのがまた左京らしい!

結局左京から右山に近づいていったの。そこがまたよかった。右山もこうやって左京が来てくれるのは嬉しいですよね!

だからこそ!右山の態度が描き下ろしはちょっと違いました。嬉しいって気持ちがすごく伝わってきましたヨ(*^_^*)

二人のエロはこの描き下ろしでやっと拝めます。

6年の間にもう関係は持っていて二人はもうすっかり恋人なのですが(*^_^*)

甘々でした★よかったです。

感想まとめ

基本的にラストまで切ない展開です。腐れ縁が長い分その関係を壊すのはなかなかのリスクを伴うわけで。

そういう葛藤がよく表現されていたなと思います。

右山が自分の気持ちに素直になって左京を受け止めてからはきっと幸せな時間を過ごしているのかなと・・・想像ですが。

描き下ろしですでに6年経過していてもあの感じなので(*^_^*)

左京から指輪をもらったときの右山の反応も読みたかったです。

ナツメカズキさんの作品ではこの作品が個人的にはイチオシ。

ちょっと切なめテイストで腐れ縁→恋人の展開が好きな日な人はぜひ読んでみてください♪

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