こんなおはなし
縁切り屋を営む薫の元に、一件の依頼が舞い込む。 それは、ストーカーに困っているサラリーマン・原からのものだった。 はじめは薫の話を信じきれない様子の原だったが、気づけば好意を寄せてくるようになっていた。 しかし、縁を切る能力と引き換えに、自身の赤い糸が存在しない薫は、 原と結ばれることはないと彼の告白を拒絶するが——…。
“運命じゃなくたってかまわない——…"
叶わぬ恋の結び方 作品紹介
注意ポイント
この作品は【赤い糸の執行猶予】のスピンオフ作品。ちょこっと出てきていた縁切り屋さんのお話です。 ちょっと切ない。でも希望もある終わり方で私はすごく好きです。甘々な感じではなくてちょっと危うさも含んではいるのですが、二人には見えない赤い糸が繋がってたらいいな・・・なんて。 原さんがずっと赤い糸が繋がらないのはきっと薫と繋がる糸だからで・・・薫には赤い糸がないからずっと切れたままなんじゃないのかなとロマンティックな事を言ってみる。 切ない系がお好きな人は是非!
【ネタバレ注意】叶わぬ恋の結び方 感想レビュー
繋がっている糸を切る「縁切り屋」と言われる薫。彼には赤い糸がない。
今回、ストーカー被害に遭っているという男性からの依頼から始まります。
会社の上司の娘ということで下手に動けないので縁切り屋の薫に依頼してきたようです。
これがきっかけになるのですが、依頼者の原さんが薫の事を好きになってしまったのだと言い始めます。
薫には赤い糸はないので(誰とも結ばれないというのを意味している)、薫自身は誰か一人の人と深く付き合いたくはないという気持ちが強く原さんを素直に受け入れる事ができません。
だから、セフレという形で会う事に。
物腰が柔らかくどこか抜けた感じのある原さんですが・・・エロの時にはちょっとスゴイのでそのギャップが私は好き。
これには薫も・・・拒絶したいのに頭の中は原さんでいっぱいになっていきます。
原さんとの関係が続けば続く程、赤い糸がない薫は切なくなっていくんですよね・・・
もしかしたら原さんには赤い糸で結ばれる人が出て来るかもしれない、今日はその糸が繋がっているかもしれない・・・
薫の気持ちがすごくよくわかるストーリー展開になっているので、感情移入しやすかったです。
縁切り屋っていうのも面白いですよね。
神沢家には双子の兄弟が代々産まれるのだという。
薫にも双子の兄がいます。
ひとりは縁切り屋になり、一人は赤い糸の人と子を産み育てていくそんな役割があるのだとか。
能力の現れた方が縁切り屋になるということですね。
兄の颯の子も双子の兄弟。将来この子たちのどちらかが薫みたいになるんですね。
薫が始めて好きになった人が兄の赤い糸の相手だったとか・・・・なんか切ないなぁって思ってしまいました。
自分が好きになった相手は必ず他の誰かと赤い糸で繋がって自分の元を去って行く・・・
そういうのを何度か経験したら原さんの想いを受け止めることもなかなか出来ないと言うのもすごく納得。
それでも原さんの想いの方が強かったというのもぐっと来ました。
「運命なんてクソくらえだ」
こういう原さん好きですヨ。
それに私が一番気に入ったのは最後のモノローグ。
[keikou]運命ではないけれど きっとこれが最後の恋だ[/keikou]
正直、最後には薫にも赤い糸とか出て来るんじゃないのかな?なんて思っていたけど、そうじゃなかった。
最後まで赤い糸は出てこない。薫はそういう運命を背負いながらそれでも恋をして、それを真正面から受け止めたこのモノローグがすごく好きです。
きっと薫にはめられた、原さんからのプレゼントである指輪がその赤い糸の役割をしてくれるのだと信じています(#^.^#)
原さんにも薫がいる限り、赤い糸が他の人と繋がる事はないのではないかなと。
切なさもありながら読後はじわり。とてもステキな作品でした。
感想まとめ
これはオススメ作品。吉尾アキラさんはすごく好きで、「赤い糸の執行猶予」がお気に入りだったのですが・・・こちらの作品の方がぐっと作品に入り込めて好きかもしれません。
お気に入りすぎて何度読み返したか。1冊ですごくうまくまとまっていると思います。
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私もこれは忘れずに応募しました!締め切りが12/1なので気になる人はお早めに♪
こんな人にオススメ
- 切なさのある作品が好き
- 1巻完結でオススメ作品が読みたい
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