文善やよひさんの【鴆 比翼の鳥 】を読みました。こちらはCannaで連載していた作品。私は、人間×鴆 もスキでしたがこちらの鴆×鴆 のほうが好みかもしれない。
最初は意味がわからないなぁ~なんて思いながら読み始めたジェンではあったけれど、理解するとすごく深い。面白い。
何より・・・リウシンの愛情の深さにぐっときてしまうのですよ・・・・。
鴆 比翼の鳥 作品紹介
あらすじ・内容紹介
「僕のために誇りなんて捨てろ――」
この国には、鴆(ジェン)という鳥人がいる。有毒の食物を好んで食べ、体内に溜め込んだ“毒”を“色”に変えると、鮮やかで美しい羽根をつくる。毒の強さと虹色の羽根は鴆の誇りだった。しかし、羽根色が悪く鴆として不完全なリウシンとジーイエは、どこへ行っても必要とされることはなかった。不遇な鴆同士、固い絆があるふたりだったが、ある日を境にリウシンの態度が一変して……!?
注意ポイント
【ネタバレ注意】鴆-ジェン- 感想レビュー
ジェンの羽は毒で色づく。ジェンの毒は愛の証。
愛するものを守るために毒を身に着け、雄はより多くの毒を示すために羽根を毒で彩るようになったという。
番になった相手にはその大事な毒を差し出すという設定にもなぜかキュンときてしまった。
何度読んでも胸がギュっとるストーリー展開で、文善さんの作品の見せ方、構成力に感動。
ジェンの中では珍しい黒と白の二人。虐げられた二人が番が現れるまでは一緒にいようと約束しあい、そして相手の事を想って毒ではなく自らを犠牲にしていく姿は。。。
途中ではあまりわからないけれど、終盤意味がわかると一気に目頭がじわり(´;ω;`)ウゥゥ
正直、雑誌を読んでいるときも、さらにはコミックスを一読したときにも設定が自分の中であいまいで理解できないところもあったの。
同じような人は二度以上できれば読み返してほしいなととても思う。
読めば読むほどジェンという世界観にハマるはず。
今作から入る人は、前作である「鴆-ジェン- & 極夜」を前もって読んでいおくとするっと世界観に浸れるかもしれない。
ツァイホンも出てくるので(⌒∇⌒)
シリーズの中では確かにツァイホンはかわいくて穏やかでとても好き。でも今作を読んで私はジーイエが好きだし一途に想っていたリウシンも好きだから・・・面白いなと思ったのはこの比翼の鳥。
人外×人外ではあるものの・・・一途な二人の想いにきっとギュンなるので気になった人は読んでみてほしい。
毒の強さは鴆の誇り
ジェンの羽根の色は毒の色とも言われいる。毒を食し、羽根を色づけていくジェン。
虹色の羽根から様々のようだが、黒色にしかならないジーイエと・・毒を抜き、真っ白なリウシン。
毒が強く現れるジーイエと毒がないリウシンは・・・・力関係的にはリウシン>ジーイエ。
なんとなく黒の方が強いのでは!?と思うのですが、ここは人間がかかわってくる。
真っ白なジェンの方が大切にされるの。無毒だからこそ、人間が近寄れるというのもあるのかも。もうこれは人間の嗜好でしかない・・・。
正反対の真っ黒なジェンと真っ白なジェン。この1冊では彼らが番になるまでが描かれていてこれまたすごく一途でロマンティック。
最後まで読むと、憎たらしそうに言ってたセリフひとつひとつに、実は愛情が隠されていたのだと気づかされるのでスゴイ作品だなぁと思わされる。
光り輝く羽根
番になるものにだけに見えるものがあるというジェンの羽根。
番にではないジェンにもそれはわからないのだそう。
2人ともが実は最初から「番」にしか見えないあるものを経験していて・・・それがわかった時にどれだけほっとしたか。(私が)
リウシンはわがままに見えて、本当にジーイエの事が大切ですごく愛情深いのだ。
だけど、ジーイェの羽根がきれいにならないように・・・リウシンは自分だけのジェンで居てほしいと思っていたに違いない。
どうしてそう思うかと言ったら、ジーイエにはあまり良くない毒草をずっと食べさせていたので(-_-;)
ジーイエが真っ黒なのは、毒がより色濃く出てしまうからというのがフェイの言葉でわかるようになっているのだけれど、実はリウシンはもっと早くにそれに気づいてたの。
でもね、色がきれいにでたら外を飛んで番を見つけたいとジーイエが言ったから・・・そうならないように色が濃くでる草を与え続けたのだと思う。
夜が明けなければずっと一緒にいてくれる?というリウシンの心情・・・
ずっと黒いままなら一緒に・・・という意味でどういう気持ちで毎回ジーイエに毒草を与えていたのかがわかるから切ないなぁと。
そういう執着も全然嫌いじゃない。
番ができるまで一緒にいようと言いながら、二人ともお互いが大好きじゃないの!って二人が番だとわかるまではほんと切ないなぁ(´;ω;`)って見守ってきたから・・・
「番」とわかった時のあの喜びはなんとも言えず☆
色々な事があった二羽(二人)だからラストで一緒に飛び立つ姿は本当にじわりときて・・・すごく素敵で・・・2人ともの願いが叶って良かったねと感動した。。。
真っ黒なジェンと真っ白なジェン。毒と食すものと食さないものと最初は思うのですが[keikou]実はこれにはカラクリが[/keikou]
これがある意味このストーリーではかなり重要要素になっていると私は感じた。
少しだけ前後するけど、以下にカラクリ部分を書いておきたいと思う。(作品を読む上ではけっこう重要だと感じたので)
リウシンの秘密
真っ白なジェンは毒が体内にないためになるものだと言われている。
それは前作のツァイホンがそうしたため。
虹色の羽根を持っていたツァイホンが毒を抜き真っ白になり、そこから白=無毒というのが定着したらしい。
ただ、リウシンの秘密というのは・・・もともとリウシンが毒草を食べようが色がつかないジェンだということ。
これは後半にわかるの。
毒草を食べると色が濃くでてしまう真っ黒なジーイエに対し、色が全くでないリウシン。
リウシンは元々色がでないのに毒を抜いたのは、宗室に近づくため。安心させてから暗殺を企む主に利用されてたらしい。
利用されているリウシンだったのだけれど、ジーイエの案にフェイが協力してくれてなんとかリウシンも自由の身に。
みどころのひとつなのでぜひ注目して読んでみてほしい(⌒∇⌒)
そして気持ちを確かめあったジーイエとリウシン。。。気持ちを解放してからのリウシンの可愛さもなんとも言えず。
ジーイェ受・リウシン攻もポイント高かった!よくよく見てみたらジーイエの方が小さいの。
リウシンむちゃくちゃデカい事にあとから気づいておぉ~・・・って((笑)
ツァイホンに少し嫉妬するリウシンもかわいかったし、番と言われて機嫌治るのもかわいくて。
リウシンってかなりの溺愛攻なのだと感じた(n*´ω`*n)
感想まとめ
人外BLでとても素敵なお話。
色が鮮やかなジェンは強さの証、そして与えられる愛の証。毒の強さはジェンの誇り。。。
色鮮やかではなかった彼らだけれど、彼らは彼らで相手にはその色が一番きれいで似合っているのだと思ってるところがイイ。
黒い羽根がひかり、夜空と例えるところも私は好きで・・・・とても胸に響くものがこの作品の中には多くあったように思う。
最後の番になった二人を読むと。。。また最初から読み返したくなるのよね・・・。
1冊はかなり分厚くて300P近くあるので、読み応えもばっちり。
人外BLに抵抗ない人は是非!!!
この作品の評価
ストーリー | |
胸キュン | |
切なさ | |
エロ |