大好きな南月ゆうさんの新刊BLコミックスの感想です。『チェンジワールド』とはガラリと作風がかわり、ややシリアス展開。
ダークな中にかわいらしさもあってとても読後が良かった!すごく素敵な作品で、チェンジワールドも好きでしたがこの作品もすごく好き。南月ゆうさんの作品は読後がとってもいいんですよね!
勇一・歩もかわいかったけど・・・陵の勇一に見せる素が本当にかわいくてキュン。これは・・・もってかれますね~(≧∇≦*)
面白かったです。南月ゆうさん・・・作品出すごとにレベルアップしてませんか!?大好きすぎて、フィルターかかってるかも知れませんが大満足でした!
描き下ろしも最高に良かったです。
雛鳥は汐風にまどろむ 作品情報
内容/あらすじ
事故で両親と姉を亡くし、小学生の甥・歩を引き取った勇一。海の見える街に引っ越して、二人きりで始める新生活――そこで出会ったのは、総菜屋を営む陵。同い年なのに自分の店を持ち、ご近所から慕われる人気者だ。すっかり常連となったある日、歩が喧嘩で家出してしまった!!「逃げずにちゃんと向き合え」陵は動揺する勇一を叱咤し、絆を取り戻させてくれる。ところがその瞳は、どこか寂し気で…!?
注意ポイント
雛鳥は汐風にまどろむ ネタバレあり感想
いやぁ~チェンジワールドとはまた違ったテイストで・・・だからこそすっごく魅力的で面白かった!
ピュアさもあるけど、その中にダークな部分もあって。
出会った事でそういうダークな部分が消えていくっているのはすごく素敵でした。
今回のお話は、二人きりで暮らす新米親子(勇一・歩)×過去に傷を負った男(陵)くんのBL。
新米親子って書いてあるのですが、ここには事情があるんですヨ。普段は親子とかシンパパのお話はちょこっとだけ読む前にう~ん子供がいるのかぁ~なんて思ってしまう人なのですが・・・
勇一と歩は親族としての血は繋がっているけど本当の親子じゃないんですよね。
歩の母親が勇一の姉。
歩のランドセルを買いに行った勇一の姉と両親が一緒に事故で他界してしまいます。そして残された歩を勇一が引き取ったっていう経緯が。
関係的には叔父と甥っ子なんですね。
BL的には甥っ子×叔父っていうのも好きなパターンなのですが(甥っ子が成長してグイグイくるのが好き(#^.^#))、今回は叔父×近所の総菜屋さん。
でもね~この総菜屋さんも過去に傷を負った男だったんですよね。
ニコニコいい顔しているけど、本当の彼は結構ダーク。
元ホストという事もあって人当たりはいいのですが・・・過去の境遇から人の物を欲しくなってしまうというクセがあります。
こんな陵も、勇一と歩と関わっていくうちに変化が出てきます。
この変化が最高にキュン。
南月ゆうさんの絵柄もあるのですが。。。破壊力半端ないです。
途中で出てくる陵の「嫌がんないで」の場面・・・もってかれましたわ・・・(*´Д`*)
陵と歩
作品的に面白いなぁ~と思ったのは、ある意味トライアングルなんですヨ。
陵と歩は似た所があって、陵は歩に昔の自分を重ねていたようです。
陵自身も、母親の病気を理由に叔父家族に引き取られ・・・そこから色々と歪んでいったので同じ境遇の歩にだけは素で接してたってのも読んでてポイント高かったです。
歩自身も小さいながらもいろんな事を抱えてて・・・それでも勇一に嫌われたくない、愛して欲しいって気持ち伝わる場面があってなんか・・・胸がぎゅ~~~~ってなりました。
ツンツンの歩の表に出さない、出せない感情を陵だけは分かっていたんですよね。
最後に「兄弟みたい」って勇一が陵と歩をみて言ってる場面があるのですが。。。確かに!
ここの2人は通じ合うモノがあるというか☆
兄弟っていうのか、実際のところは双子ちゃんみたいな感じなのかも。
歩と勇一は陵がいた事でちゃんと気持ちが通じ合うようになったし、変なトライアングルじゃなくってそれぞれに相互作用があるようなとってもイイ関係だなぁって思ったんですよね。
歩の表情がどんどん変化していく姿も必見ですよ!
読後がいいっていうのはこういう所だと。
このトライアングル全てにおいてすっごく最高な形で収まっているのが逆に素晴らしくって、最初に書いた南月ゆうさんが作品を出すことにレベルアップしてるって思う理由です。
この作品は個人的には超イチオシ!
歩と勇一
ここも可愛い関係ですよね・・・。姉と両親が亡くなり、歩を引き取ることになった勇一。
必死に歩を守る為に働きます。まだ28歳の男性が一人で小学生の子を育てるって大変だろうなぁと。叔父としてたまに接するっていう感じではなくなるんですからね。
使命感もあるし、仕事も歩の事を考えて総務部に移って事務仕事。
慣れない事にも慣れていかないといけないから結構な負担だったと思います。
そういうの、小さいながらも歩にはわかってたのかな(#^.^#)
誕生日が近いからと、勇一の喜ぶシーグラスを集めにせっせと海岸に通っている姿・・・かわいらしくて。
ツンツンかと思ってたけどほんとに健気なんですよね。
この流れは、甥っ子➨叔父でもなんかありそう!!!!って連載時は思ってた・・・(笑)
歩が家族として勇一の事大好きなのはすっごく伝わってくるので特別感はあるけど、変にそういう流れにならなくて本当に良かったと今は思います(≧∇≦*)
陵×勇一
ここもね、本当にイイ関係に収まりましたね。
お互い一緒にいることで気持ちが安定する関係なのだと思う。
陵が誰かのモノが欲しいと思ってしまうクセ・・・歩と勇一に対してもあったんですよね。
どうなるのかなぁ~!!!なんて思ってましたが、ここは歩と自分を重ねてしまっていた陵が思いとどまる場面が。
勇一の事を欲しいと思うようになるのですが、歩から勇一を奪ったら、、、歩は?って考えちゃうんですよね。
歩に「勇一がほしい」って言って断られましたしね。
この場面は切なかった・・・。
あと!個人的に必見だと思ったのは、最初に身体を重ねる場面。
陵のすがり付くような目や台詞がツボでした。
普段なら一度抱いてしまえば、「これじゃない」と思って興味も冷めてしまう陵なのですが、勇一に対してはまだ足りない、もっと欲しいって思うの。
勇一と歩を見てるから、歩と自分が一体化して考えてたところもあったと思います。
自分も同じように愛して欲しいって訴えてるようにも思えましたヨ。
すごく愛されたいって思う気持ちが強い人なんだろうなって。でも幸せな人を見たら羨ましくなって壊したくなる。
でも、歩の幸せを壊したいわけじゃない。
陵の出した答えは・・・身をひこうとするの。
それを勇一が引き戻した場面も良かったですが・・・二度目の絡みの陵のモノローグも良かった・・・。
なんかね、陵のなかの霧が晴れてく感じ。
暗かった心が勇一と歩に出会ったことによって明るくなったんだなぁって思う。
色々と抱えてきて歪んでた陵だけど、素の彼はほんとうに子供っぽくてそのギャップにもやられました(≧∇≦*)
お気に入りはカバー下!
描き下ろしももちろんすごく素敵で、雑誌で読んだよ!って人もこの描き下ろしは必見です。
だからコミックスで是非読んで欲しい~。
あと、私の一番のお気に入りは・・・カバー下!
「雛鳥のララバイ」
って書いてあるのですが、歩と陵の掛け合いが面白い!
それに・・・最後の勇一に笑っちゃった。がっちり2人にホールドされてたのね(#^.^#)って。
ほんとかわいい3人で最後のカバー下までキュン萌えでした。
ララバイじゃ全然ないのがまた良かった( ´艸`)勇一のかわいい雛鳥さん達・・・最高です!
最後の最後までほんと素敵なコミックスでした!!!
感想まとめ
面白かったぁ~!!!チェンジワールドのピュアッピュアな感じとはちょっと違って少しシリアスな部分もあったけど・・
でも読後が本当にイイ。
素敵だし、この3人に関しては誰でも良かったとか思えないんですよね。
出会うべくして出会って・・・運命なんだろうなぁ~!!!って。
勇一も陵がいたから歩とも向き合えたし、陵だって勇一・歩がいたから自分自身とも向き合うことができてお母さんのお墓参りまで行けて・・・
素敵なストーリーでした。
それに・・・南月ゆうさんの絵柄・・ヤバイですね(*´Д`*)素敵すぎて。
攻・受の描き分けがちゃんとあるんだけど、受もかっこかわいいの。
眼福ですね。大好きな作家さんです(#^.^#)
「愛と再生の物語」ってありますが、本当にその通りかと!
気になった人は是非読んでみて下さいね☆