英数字さんの【初恋が牙をむく】のBLコミックス感想。この作品は毎号楽しみにしていたイァハーツ連載作品。しっとしとしたお話。
初恋の二人があることがきっかけで離れてしまい、そして再会。
ざっくり書いてしまえば、弟の存在で一度は壊れた関係だったけど、また弟によって引き合わされて関係が発展していくの。
その過程がとてもいいなと感じ、お気に入りの1冊になったので紹介させてください☆
初恋が牙をむく 作品紹介
あらすじ/内容紹介
高校時代の同級生の嵯峨だ。
高校生の時に晃生は嵯峨とのキスを弟に見られてしまう。
罪悪感から晃生は嵯峨を遠ざけ、そのまま疎遠になった。
だが、それから十年以上経ったある日、
嵯峨は弟の仕事関係者として再び晃生の前に現れて…!?
注意ポイント
【ネタバレ注意】初恋が牙をむく 感想レビュー
英数字さんは『めんどくさいけど愛してる』がすごく面白くて。兄弟の話が一番印象に残ってる。
それ以来気になってた作家さん。
前作は短編集みたいな感じだったのに比べ、今作は1冊まるまる表題作。
2人の一途な想いにギュギュっとなるの。
読み終わって、振り返ってみると・・・切なさもありつつラストには胸キュンいっぱいで大満足。
高校生の時に離れ離れになってしまった二人は切ないけれど、大人になって再会したこそうまくいった関係なのではないかと思う。
この表紙を見るだけで。。。ほんと再会できてよかったね(´;ω;`)って思ってしまう。。。
初恋の相手に再会
切ない初恋。嫌いになったから別れたわけではなくて、タイミングが悪かっただけ・・・そんな風に感じてしまう二人の過去。
嵯峨と家田(晃生)は高校生の時にお互いがゲイであることを知り、仲を深めていくけれど・・・キスしていた場面を家田の弟である南に見られてしまうの。
それがきっかけで南が話さなくなってしまい、責任を感じた晃生は嵯峨と距離を置きそして親の転勤と共に転校していってしまった。
それから十年以上たった時、弟の南がスカウトされたので事務所に所属したいと言い出し、事務所の人との顔合わせで嵯峨と再会する。
南をスカウトしたのがなんと嵯峨だったというすごい展開。
再会した後、高校の同級生だと話した晃生は・・・嵯峨に冷たく「やっと忘れられたと思ってたのに」と言われてしまうの。
嵯峨の中では晃生との事は苦い思い出として残っていたのかと・・・とても切ない。
晃生は、ずっとずっと会いたかったと感じているから余計に(´;ω;`)
でも、嵯峨も別に晃生の事を恨んでるとかそういうのではないというのが後でわかるようになってて、お互い忘れられない初恋。
嵯峨もまた、晃生と会うたびに気持ちをよみがえらせていってる気がした。
この作品の魅力というか、すごく好きだなぁと思うのは過去の2人がたまに出てくるところ。
2人の過去のエピソードを読むと、現在の二人には絶対くっついてほしいと思ってしまうの。そう思いながら読んでいくのですごく感情移入がスゴイ。
見せ方がものすごくお上手。英数字さんの作品は私のツボをグイグイおしてくる。
過去との別れ
南の事を第一に考え、過保護といわれるくらい大切にしてきた晃生。
事務所に所属した南は晃生離れしなければと一人暮らしがしたいと言い出すの。
南が家から出ていけば、もう嵯峨とも会わなくなるだろうと感じた晃生は嵯峨に別れを言おうと決心。
晃生は嵯峨を目の前にし、過去の自分を受け入れて支えてくれたこと、そして勇気がなくて離れてしまったことを謝り「ありがとう」と言う。
この時の嵯峨は・・・南のオーディションの事もあり一度は晃生の家を後にするのだけれど、送ってからまた戻ってきて晃生を抱きしめ「もう逃げないでと」(´;ω;`)ウゥゥ
このシーンね、色々と省いて書いてるけど。。。流れがすごく良くて胸がぎゅ~~~ってなってしまって。
このあとにきちんと気持ちを確かめあってそれでもって身体も重ねる事ができて・・・胸がいっぱいに。
なんだろう、すごくピュアだなぁって思ったの。
もう彼らはあれから十年経った大人なのだけれど、ピュアさもきちんとあって。
過去の二人はうまくいかなかったけれど、今の二人だからきちんとくっつくこともできたのだろうなと思う事もできて。
嵯峨の気持ちが終盤まではなかなか読みづらかったけれど、一途に晃生の事を想ってて素敵だった。
はじめて南を見たときの回想とかもうね。。。嵯峨の気持ちが一気に流れ込んでくるようで切なくて。
2人ともが気持ちを言い合ったことで・・・幼くて頑張りきれなかった切ない過去を乗り越えることができたのではないのかしら。
南だって成長してる
嵯峨と晃生が抱き合っているところを見てしまった南。
2人に声をかけるのだけれど、そこで晃生から男の人が好きだと告げられる。
でもね、南は前々から知ってたというの。
ずっと一緒に暮らしてきたからなんとなくわかってたと。
幼かった南にとっては、男の人とのキスはショックだったのかもしれないけれど・・・南だって成長してる。
といっても昔の出来事は南は忘れてしまってるのだけども。
とりあえず。。。。離れてしまう要因になった南にも受け入れてもらえてすごくほっ(⌒∇⌒)
実は嵯峨のお話だった!?
ラストがびっくりしたの。
ずっと晃生視点でストーリーが展開していってて・・・でも読み返すと確かに最終話は嵯峨視点になってたことに気づいた(-_-;)
初恋が牙をむくというのにふさわしいモノローグが嵯峨視点で( ,,`・ω・´)ンンン?これは嵯峨のお話だった?と混乱してしまったけど・・・
初恋はお互いだったからまぁ二人ともがそれぞれに爪痕を残していったのだという解釈で落ち着いたかな♪
嵯峨と晃生のかわいさよ・・・ほんとラスト&描き下ろしはキュンキュンしっぱなし。
南の存在でダメになったけど、南のおかげで再会できて・・・南がいて良かったと思う。きっと・・・晃生の性格だと高校生の時は遅かれ早かれ別れを選択していたのかもしれない。
大人になったからこそ、それぞれが相手の事を考えることもできるようになったのかもしれないから。
やっぱり初恋もの・・・大好きだなぁと改めて実感しながらかれこれ5回は読み返してる。
本当に大好きな作品。
一途な初恋もの・・・最高!