やっと読めました!森嶋ペコさん・姉村アネムさん(原作)の『静寂の月』。こちらは上下巻同時発売でしたね!私は紙書籍で今回購入しました。
切なかったですね。切なかったけど、最後はあったかくなるような・・・幹が幸せになって本当に良かったと思いました。
双子に対する劣等感・・・すごくよく描かれていたんじゃないかなと思います。ただ、幹が不憫すぎますね。
双子でこんなに差をつけなくてもいいのに・・・(T^T)
静寂の月 上下巻/作品紹介
高校進学を機に育ての親の元を離れ、生家に戻った『浅岡幹』。
多才で社交的な双子の弟・樹と常に比較され、根深い劣等感を抱えていたが、七つ年上の喬木一矢との出会いと恋とが、幹の世界を一変させた。
喬木の愛情と優しさは幹の頑なな心を溶かし、やがて幹は盲目なまでに喬木への信頼を深めていく。
幹にとってそれは、生まれて初めての、一生に一度の恋だった。
だが喬木の思惑は幹ではなく、かつて彼を手酷く振った少年、樹の上にあり同じ姿の幹を手に入れた今、喬木はまた樹にも急接近してゆき――?ゲス男×健気男子の歳の差ラブストーリー
◆兄が愛した人は弟を愛した人。
◆結末はとても良かった。
◆切なさ多め。
コミックス情報&評価
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発売日・レーベル | ・2017/8/26 ・バンブーコミックス Qpaコレクション |
ストーリー | ★★★★★4.5 |
エロ | ★★☆☆☆ |
満足度 | ★★★★★4.5 |
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注意ポイント
今回は上下巻同時発売でしたので、上下巻一緒の感想になります。
静寂の月 上下巻のみどころ・感想(ネタバレ注意)
上下巻読み応えありましたね。
なんていうか・・・本当に関係性がややこしいの。
幹も樹も、そして喬木もどことなく歪な感情を持っててそれが上手く交わらなくて・・・。
上巻はハラハラ。幹が可哀想だなと思いながら読みました。
どこか諦めクセがあるようなそんな幹・・・下巻ではさらにその感情に拍車がかかってしまったような気がします。
ただ、救いは喬木の気持ちの変化ですね。
樹を愛してた彼はいつしか幹を愛するようになって、そして最後は彼を追いかけて・・・。
喬木ってクズなんだけれど、幹が彼しか本当に愛せないのだろうなと思うような感じなのでラストはとても良かった!
ただ。。ワタクシ島崎のほうが好みでした( ´艸`)彼だったらよかったのにぁ~と思わなくもない。
最初から樹ではなく幹を見てたのは島崎だったのにあまりこれといって深く関わってこなかったのは残念。
ただ幹と島崎は恋愛感情がそこまで関わらないからずっとずっと友人として長くつきあっていくのではないかな(*^_^*)
それはそれで嬉しい事だと思います。
双子という事での劣等感
今回の主題としては、幹・樹の双子が抱えるそれぞれの感情があるかと思います。
そして、弟の樹に劣等感がすごくある幹が、ある一人の男性に愛されるまでの過程が描かれていると思いました。
何でも出来て周りからも愛される樹。彼は太陽。
そして、いつもそんな樹と比較されながら劣等感を募らせていく幹・・・・。本当は優しくて綺麗な子なんですよね。
そんな幹を「月」に例えているのだと思います。
優しくて、周りの事も考えるからこそ自分一人で悩みを抱え、そして壊れていく・・・・中盤まではそうだったのかなと思いました。
幼少期から現在までの幹はただただなんか不憫。私が同じ立場だったらもっとやさぐれてたと思う・・・。
だって片割れは総てを手にできる天才なんですよ・・・!?一緒にいるだけでもツライ。
そんな幹は・・・喬木と出会ったことで変わっていきます。
自分が好きになって、その相手に受け入れられてもらえているという気持ちが幹に変化をもたらしているのだと思ったのですが・・・
ここでもまたね~この喬木が幹に近づいたのは「樹を愛してた」からだというのが後でわかるんですヨ。
この事実を知ったときの幹は・・・ほんと痛々しかった(T^T)
何でも完璧にこなして頭も良く、自分のわがままも通ってしまう樹が近くにいるから本来なら普通にできる幹は自分が出来損ないだと思い込んでしまうんですよ。。
樹目当てで自分に近づいてくる人も少なくない。
みんなみんな自分より樹が好きだと思い込んでいるのはなんか本当に切なかった。
私はだからこそ!島崎がぴったりじゃないかと思ったんですよね。
彼は幹だけを見てる。樹にはさほど興味もない・・・。いいと思ったんですけどね(・_・、)
島崎は御曹司だということで婚約者もいるみたいでそこは難しかったのかな~。彼女もたくさんいましたしね(笑)
微妙な三角関係
双子である樹・幹、そして幹の彼氏である喬木。。。ここは三角関係です。
幹は喬木が好き。
樹は兄である幹が好き(兄弟としてですね極度のブラコン)
そして喬木は樹が好き。
喬木が幹に近づいたのは樹に似てたから。ちょっと上巻の最初ではいい人かと思ってたら・・全然違う。むしろクズです。
樹は喬木が自分のことを好きだと知ってて、それでも幹が笑ってくれるならと交換条件で喬木の望み通りに抱かれてしまうんです。
これがね~なんていうか・・・そんなことをして幹のそばに喬木がいても幸せになれないと思うんですけど( ̄。 ̄;)
樹ってわりと自己中なんですよね。
幹が好きだから彼のためにと喬木のいいなりになったけどなんか違うよねぇ~ってモヤモヤしちゃいました。
結果として、喬木は樹を抱いたことで幹への気持ちを自覚するのですけどね。
ずっと幹と樹を重ねて抱いてきたつもりだったのに、いつのまにか幹を愛するようになってた・・・樹を抱こうとしたときはあんなに願った事だったのに幹とは違うと思ってしまうの。
でも、幹は喬木と樹が寝たと知って「仕方ないよ」と言って喬木を諦めようとしてしまいます。
樹に勝てるはずない、喬木が樹の事を好きだと知ってたと(・_・、)
こんな裏切られ方したのにまた喬木を受け入れちゃう幹もどうかと思うけど・・・本当に「一生に一度の恋」なんでしょうね。
どんな結末になったにしろ、きっとここはブレないと思いました。
幹は喬木しか愛せないと思う。何がどうしてそうなのかはよく分からないけど(特に喬木が幹だけを見てたとかじゃなですし、クズだし・・・)。
理屈で好きになるわけじゃないのだけどね。幹にとっては喬木は本当にすごく心揺さぶられる人物だったんでしょうね。
再構築
再び喬木を受け入れた幹はこのまま幸せになっていくのかな?と思ったのですがまだまだ切ない展開はありました。。。
樹に劣等感を抱いてた幹は、樹になりきって援交していたんです。
その時に薬物も購入してたらしく、そのことで双子の樹が絡まれてしまい公になってしまいます。
この件がきっかけで喬木の元を去った幹。
喬木はこのとき丁度海外からのオファーもあって迷ってた時期で幹としっかり向き合えなかったんですよね。
喬木の後悔にはなんかぎゅっとなりました。
後半の喬木は本当に幹が好きで、一途な男に変わってましたね。
だから私はこの作品前後編ちゃんと最後まで読めたと思う・・・。これが最後までクズだったら・・・全力で島崎~どうにかして!って思ってかもしれません。
後半はリスタートの2人。
自分のやるべき事をしっかりやって、そして幹を迎えにいった喬木は良かったです。
幹はどうだったのかな???喬木が来てくれるなんて思ってもなかったかも。
ずっと好きで彼以外に心は動かないとは思うけど、ひっそりと生活していこうと思ってたかもしれません。
だからこそ、迎えにきた喬木を見たときの涙にワタクシ・・・感動しちゃった(・_・、)
ちゃんと幹だけを見てくれる人がいる、やっと欲しいものを手に入れたねと思いました。
静寂の月 上下巻 感想まとめ
それぞれの登場人物の思惑というか感情がぶつかり合ってすごく読み応えある作品だと思いました。
キレイばかりなかく、ちゃんと幹の黒い部分も描いてあったのは個人的にはかなり評価高いです。
ちょっと切ないし、モヤモヤ感はあるけどこれだけ複雑な関係性をよく2巻でまとめたなぁ~と感心しました!
樹に劣等感をもって一時期樹になりきってた幹。自分を見て自分を愛してくれる人に結果として出会えてよかったねと思う作品だったなぁと思います。
絵もキレイですね。森嶋ペコさんの作品は初めてだったのですが、他の作品もちょっと読んでみようと思いました。
今回のこの静寂の月は・・・重い。。。ライトな感じで読む作品ではないです。
なのでさらっと読める作品を~と思う人にはちょっとずっしりくるんじゃないかなと思います。ただハピエンだからそこはオススメポイント!
あと、小説版でアナザーがあるようなのですが・・・こちらはレビュー読んだら読む勇気なくなりました。
いや、私は読まないほうがいいと思って未読です。
幹が幸せにならない結末なら読みたくない。。。。レビュー読む限りは幹に幸せになって欲しいと思う人は読まない方がよさそう。
レビュー読んで暫く浮上できなかったから作品読んだらもっと浮上できない気がしました(・_・、)
漫画のなかで幸せな幹で十分ですね・・・。
漫画はクズ攻が気づけば一途な受の事を好きになって追いかけていくパターンが好きな人にはお勧めです!
ぜひチェックしてみてくださいね。
最後に、満足度のマイナス0.5は・・・やっぱり島崎が好きだな~と思ったので( ´艸`)
島崎×幹でのアナザーなら小説読んだかもしれません、、、(≧∇≦*)