書影に惹かれてケビン小峰さんの【涙の音】を読みました。前半切なく、後半甘々な作品だったなと思います。
初めてケビン小峰さんの作品を読んだのですが、絵柄がとても好みでした。
ストーリーは、再会BLでちょっとありがちパターンだったかな?婚約者の人がけっこうキツイけれど、そのくらいのことを六郎はしているし、やっていることはクズの部類だと思いました(笑)
純愛テイストなのですが、純愛なのはルイであって六郎は・・・自己中さがやや目立ちます。
前半よりは、ルイときちんと向き合って幸せになってからの六郎のほうが好きです。後半はもう甘い!しかないので読んでて楽しかったですヨ。
前半と後半のこの違いよ・・・と六郎の変化も楽しめる1冊ではないでしょうか。
【涙の音】内容紹介
「君の笑顔が好きで、その笑顔のためなら何だってできるはずだったのに──」
サラリーマンの六郎は、仕事も優秀、上司の娘との交際で将来を約束されたエリート。けれど学生時代の恋を自分の過ちで失ってから、六郎の心は抜け殻同然だった。このまま一生、昔の恋を引きずって生きていくのだと思っていた矢先、かつての恋人・ルイを街中で偶然見つけてしまう。その変わらない優しい姿に、ルイへの気持ちが抑えきれなくなってしまう六郎。いけないと思いつつ、恋人からの連絡も無視し続け、毎日その場所に通い、遠くから見つめる日々を送るようになるが……。
愛情とエゴが交錯する、一途な大人たちのビターピュアラブストーリー。電子版限定描き下ろし「どこまでも…六郎」収録!(このコミックスには花丸漫画 Vol.6-8、10、12、14に掲載された第1話~第5話と「作井さんはいい人だ」を加筆修正して収録しています。)
◆一途なのは攻ではなく受だと思う。
◆前半切なく、後半甘い作品。
コミックス情報&評価
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注意ポイント
涙の音・みどころや感想(ネタバレ注意)
花丸漫画はそういえばあまり読まないので(このあいだ久々に本間アキラさんの坊主かわいや袈裟までいとしが完結したというので読みました)、実はあまり注目してなかったのですが、電子配信された時に書影に惹かれました。
刑事さんのストーリーかと最初は勘違いしちゃったんですよね。
書影の六郎、なんか刑事みたいじゃないですか?コートがそう見えるだけですけど・・・。
ストーリーは別れてしまったけど、忘れられない人(ルイ)に再会した六郎。今度は手放さないとまたも暴走してしまいます。
ルイは自分が傍にいたら六郎の幸せが壊れてしまうと2回も身をひくんです。
六郎はどうしてルイが身をひいたのか分からずに苦しむのですが、自分が未熟だったせいだと理解します。
結局5年たってからまた会いにいった六郎は・・・次はきちんと幸せになれた、というストーリーだったかなと感じました。
色々な事があって自分の気持ちを押しつけたり強引さもあった六郎でしたが、ルイのことは本当に大好きで忘れられない人だったのだろうなと思える作品だったと思います。
そういえば!今回のみどころはどこまでもキツかった六郎の婚約者。
普段ならうわぁ・・・と引くくらいの女性ですが、なぜか六郎には私もイライラしていたので彼女がビシっと言ったところはスカっとしました( ̄。 ̄;)
前半は六郎とルイがくっつくまでで本当に切ないです。すれ違いがいっぱいあって・・・。
その分後半は甘々。
ストーリー的にはちょっと荒いかな?と思ったりしましたが、幸せな2人が読めたのでその分満足度は高めになりました。
忘れられない人に再会
大好きな人に突然去られた六郎は、その6年後に会社上司の娘さんと婚約をしていました。
それでも六郎のなかにはずっとルイがいたようです。
ルイが突然去ってしまった原因を考えては後悔する日々。
そんなときに花屋で働くルイの姿を偶然見つけてしまいます。六郎はそれから陰でルイを見つめるのですが・・・・
そんな姿に気づいたのはルイではなく,ルイが働いているところの店長。
店長はルイが好きなようで、ルイにアツイ視線を送っていた六郎が気になったのでしょうね(笑)
でもこの店長の存在がきっかけでルイの前に出て話しをする事になるので実はこの店長か2人のキューピッドだったりするかもと思ってます。
再会してからの2人は6年の変化をお互いに感じながら手探り状態で近づいて行きます。
でも・・・ルイは六郎に女の影があるのを知ってもう会わないと伝えるんですね。
2人が別れた原因は、六郎にもルイにもあったのだと思いました。
六郎は自分が心にもない事を言ったり、ルイの悩みに寄り添わなかったからだと思っていますし、ルイは自分の方から何も言わずに突然消えたので酷い別れ方をしたと思ってます。
読んでて思ったのは、この2人はきちんと向き合って誤解を解かないとちゃんと前に進めないのかなと。。。
だから六郎の押しでまた付き合う事になるのですが、別れた原因をそのまま2人ともが話さないし理解しないから「別れ」を繰り返してしまいます。
繰り返してやっと間違いに気づいて、六郎は成長してルイを迎えに行くというラストでした。
間違いを繰り返す所がちょっと切なすぎて、六郎の気持ちも分かるし、ルイの気持ちもわかるし・・・なんでこんなに上手くいかないの~って途中なると思います。
ルイは優しいけど臆病だから、自分が消える事が六郎の幸せになると思ったんですよね。
2人とも忘れられなくて想い合っているのに、肝心なお互いの本心は言えないというのが一番の問題だったのかもしれない。
言えていれば六郎が暴走することもないし、もっと2人にとって最善の解決策があったかもしれないのに。
でも、2回別れたからこそ、六郎が変われたのかなとも思ったりもします。結果論ですけどね。
六郎の婚約者がすごかった
上司の娘さんと婚約していた六郎・・・・。
ルイと再会してからは一気に気持ちがルイに傾いていったので彼女の事はもう煩わしいものでしかなくなってしまいます。
もともと彼女に対して気持ちはそんなになかったから余計に酷いですよね。
六郎の婚約者がすごかった!って書いたのは、最初登場したときはすっごくおしとやかで弱々しい人かと思ってたんですヨ・・・。
そしたら!!全然違いました(笑)
超気が強い!超怖い!!!
シクシク泣かれるよりもこのくらいの方が私は好きなのですが、ちょっと強すぎて最初の雰囲気とのギャップにびっくりしました。
いや、、、これは結婚しなくて良かったと思うくらいのレベル・・・。
結婚しても六郎に不満たまって爆発すると思う。彼女さんにとっても結婚しなくて良かったと読みながら思いました( ̄。 ̄;)
再会の再会はぐっとくる
再会してまた別れて・・・それでも忘れられなくて大好きな人・・・。
第5話は、別れてからの六郎(5年経っています)なのですが途中急に5年前に話が戻るので理解するのにちょっと時間かかりました。
六郎は起業し、社長になってましたね!
5年前、去って行くルイを見送った六郎。
その時手にしたルイのマフラーをいつか返せるように、堂々と迎えにいける自分になれるように仕事も頑張って来たのだろうと想像できます。
社長になって自分が従業員を雇うことで色々とまわりの事も考えるようになれたのかな(*^_^*)
あとは社長になってしまえばルイのいう、「自分がいたら・・・」というのも無くなりますしね!よくやった!!!
六郎の頑張りもあるのですが、私がぐっときたのは六郎よりもまだ六郎の事を好きで待ってたのか・・と思ったルイです(T^T)
ルイ・・・かわいいんですよ本当に。
一途でだけど強い子じゃないから逃げ出すしかなかったのよね。でもきっとまた迎えに来てくれると思って待っていたんじゃないかと。。。
だから本当に六郎が迎えにきて良かった・・・・。
後半の六郎はおかしい・・・というか怖い(笑)
3度目の正直で安定した2人。
なのですが・・・六郎こわいよ~。ルイが好きすぎるのはわかるけど・・・。
ルイの使ったモノを持って帰ろうとしたり、映画館で映画もみずにルイを見つめてたり・・・(゜Д゜)ヤバクナイですか?
もうね。。。ちょっと笑うくらいの怖さでした。
だけどルイは戸惑いながらもきっとそのくらいの気持ちでいてくれる六郎に安心する部分もあると思うんですヨね。
ずっと自分がいない方が六郎は幸せになれると思って来たけど、こんな六郎見ちゃったら自分がいないと六郎は駄目になるって逆に思いそうです。
こんな怖い六郎でも普通に受け入れられるのはむしろルイしかいないと思う(笑)
涙の音 感想まとめ
もう少し詳しくとうか、掘り下げてほしかったなぁと思ったところはありました。
たとえば起業するに至った六郎の気持ちの変化とか、ルイ視点のストーリーもあればも少しよかったかなとか・・・。
それでも後半の甘々にちょっと救われたかなと思います。
やっぱり切ないだけじゃね・・・。
甘々な2人を店長視点で描いてあるのも面白かったです。
あと・・・結局婚約者だった彼女はどんな人と最後結婚したのかとかも知りたかった・・・(笑)
切ないけど、最後はほっこりするBL漫画でした。
切ない系のストーリーをお探しの人は是非チェックしてみてください。
涙の音【全5巻】でバラ売りしていますが,コミックスは5話プラス作井さんはいいひとだ、と六郎くんはやっぱりスゴイ、クズのメモリーというのが収録されているので読むならコミックス版の方がオススメです!
電子版の描き下ろしは六郎にちょっと強くなったルイが読めます( ´艸`)
ということで、【涙の音】の感想でした!