風緒さんの「暗がりでくちづけを】の感想です。なんか2冊も届いてびっくりしました(笑)どんだけ欲しかったんだ!と。
風緒さんは作家買いなので、すぐぽちっちゃう。
表題作の方は読んだことがあったのかなかったのか・・・昨年に連載していたもので記憶になかったのですが、2カプ目の「齧ってみなけりゃわからない」は記憶にあります。
スピンオフだったんですね。どちらも面白かったです!
作品紹介
内容紹介
優しいキスもぬくもりも、すべて偽りだけれど――
会社員の虻川は、学生時代からの後輩である江藤に長く片想いをしていた。告白するつもりもなかったが、その想いを江藤の友人・志田に見抜かれてしまう。
背格好が江藤によく似た志田は面倒なく寝られる相手を探していたと言い、「取引しませんか」と持ちかけられてセフレになった。
以来、志田に江藤の面影を重ね、明かりを消した部屋で虻川は抱かれ続けているが――。
作品のポイント
- 好きな男と似た男に抱かれて、そのまま気持ちが移っていくパターン
- 想い人も、似た男も大学の後輩。
- 似た男の方が一途に先輩である主人公の事を想っている
- もやっと感がないのがとてもGood!(`・ω・´)b
注意ポイント
【ネタバレ注意】暗がりでくちづけを 感想レビュー
2カップルのお話が収録してありました。どちらもそれぞれ面白かったです。
2カプ目の方がわりとリアルさがあったかもしれませんね。ゲイ×ノンケのお話なので、こっちの世界に来なくていいんだよ・・みたいなぶつかり合いがありました。
こういう場合はたいてい、ノンケくんが頑張ってゲイくんの方が消極的になるのですよね。でも最終的には押し切られて我慢できなくなって・・・というのが多いので・・
その時の盛り上がりが好きだったりします。う~切ない➨ガンバレ‼➨感動(´;ω;`) といつもこんな感じで読んでます。
表題作もなかなか面白かったです。フタをあけたら攻めの健気な事!!!
なんかじわっときちゃいました。主人公の好きだった人とは結ばれなかったけれど、そりゃ気持ち動くよね・・・って思いました。
[keikou]「恋しい男を想い、別の男に抱かれるー」[/keikou]なんて帯に書いてあったらえぇぇぇ・・・Σ( ̄□ ̄|||)これはどんなお話なんだろ・・・と思ったりもしたのですが一途なお話でヨカッタです!
やっぱり攻めは一途じゃなくちゃね。私の好みですが。
実は三角関係!?
どうでしょう!?ぱっとみ三角関係か!?と思えなくもないですが、完全なトライアングルではないですよね。
登場人物は、同じ会社の先輩後輩です。後輩が2人いるのですが、実は彼らは大学も同じ。
先輩の虻川と、後輩である志田・江藤。
矢印としては、虻川➨江藤、志田➨虻川 そして身体の関係があるのが志田×虻川です。
志田は以前から虻川に好意を寄せていて、彼が好きな人がわかってたみたい。
背丈の似ている志田と江藤。
顔は似ていないけど雰囲気が似てる人って確かにいますよね。そういう2人だったようです。
ある日、志田と虻川が撮影現場へ行っているときに大雨に見舞われ、ホテルに宿泊することになります。
ここが2人の関係が始まった原点といいますか・・。
虻川は志田が隣に寝ているのを意識してしまいます。それは江藤と重ねて意識していたんですね。
こっそり江藤の事を思いながら自慰をしていると、それに気づいた志田が手伝うと言ってきて・・・・。
志田がここで取引を持ち掛けてきます。
自分は男が好きだが、適当に寝る相手を探していた。先輩は自分を江藤だと思ってくれたらいいからと。
虻川はその取引を受ける事になり、2人の関係が始まります。
暗がりにくちづけをの意味
暗がりというのは、志田が江藤に成りすますためにエロの時は電気を消すことから来ているのだと思います。
顔は見せない、雰囲気だけで虻川に江藤だと思わせていたの。
虻川の方は・・・志田は志田で江藤ではないのに関係をずるずると続けていくのですよね・・・。
抱かれているときは江藤に抱かれていると最初は思い込むように想像していたというのがわかる描写はあります。
ただ、志田は江藤ではない・・・それがわかってても会う日を楽しみに待っていたります。
だけど、そんな2人の関係も終わってしまいます。
絡んでいるときにふと手があたって電気がついちゃうの。
ここでしっかりと、今まで寝ていたのは志田だと実感する虻川。
志田は今までなるべく江藤だと思ってもらえるように虻川を抱いていたのだと思うのですが、電気がついたことでもうこの関係は終わりだと言います。
その後は、髪の毛を切り眼鏡をかけ、江藤とはまったく違う雰囲気になってしまった志田。
でも!虻川は志田が気になっていくのですね。
それはどうしてか。志田が自分のことを学生時代からずっとみてたのでは!?と思ったから。
このあたりでちょっとずつ気持ちが変化していっているのだろうなぁ・・って思いました。
2人が付き合うようになったのもなんかすごく自然だったように思います。
急に好きとかそういうのではなかったですね。
江藤の事をまだ好きだけれど、今目の前にいる志田に流されたらダメなのか?と。
気持ちにほだされてはだめなのか?みたいな感じだと思います。そこから始まる関係もあると思うので。こういう展開で私は満足でした。
急に志田が好きになったんだ!みたいなのよりは、気持ちの移り変わりがリアルなんじゃないかなぁ・・・って。
つきあってからどんどん好きになっていく
ちょっと順序的にはいろいろとすっ飛ばしてしまった志田と虻川ですが・・・付き合ってからもキュン。
やっぱり志田がとても一途で健気だから読んでて楽しくて。
あと、好きだなぁと思ったのは江藤が一切この2人に絡んでこないこと。絡みはあったけど、自分の恋バナでしたしね!
江藤が少しでも虻川の事がすきだとか気になるとかそういう展開だったらちょっともやっとしたかもしれません。
でも江藤は虻川に傾くこともなかったし、変に2人に絡んでこなかったのでとても読みやすかったです。
志田・虻川は付き合ってからは本当にラブラブ。
ただ、志田は虻川の好きだった人が江藤だと知っているので色々と不安だったりするのですよね。
そういうのもすごく表現されてて、虻川よりは志田視点で作品を読んでました。
志田ってほんとうにいいヤツなんです(´;ω;`)
読んだら・・・こういう攻め好き!って志田の事好きになると思います!
ラストは志田の満たされた感があってすごくキュンとなって幸せな気持ちになりました。
齧ってみなけりゃわからない 感想
こちらは、虻川の想い人だった江藤のお話。
江藤が相庭という男性に告白されているところから物語はスタートします。
相庭は江藤がよく行く定食屋の息子で、今はその定食屋で調理をしている人物です。
告白されたのはいいのですが、相庭は「忘れてくれ」と言うので余計に気になってしまったパターンだったのかもしれませんね。
相庭と江藤の出会いはそんなに特別な出会いではなかったのですが、相庭にとってはかなり救われたような。。。そんな出会いだったと思います。
これは後からわかってくるので、ぜひ相庭の過去に注目して読んでみてください。
2人の場合は友人から恋人へ・・という展開だったような気がします。
ただ、相庭の方はゲイということをけっこう引け目に思っているようでした。そういう経験をしてきたのだろうなぁ・・と。
江藤はもともとノンケ。だから好きだって言ってたくせにこちら側にくるなと言わんばかりの拒絶を相庭がしたり。
江藤はそれでもめげなくて、相庭と向き合うために必死になります。
相庭がお見合いをしたというのも2人の関係が変化する要因だったのかもしれませんが、とにかくこの2人の関係に関しては江藤がすごく頑張っていました!
読み応えはこの2人のほうがあったかもしれませんね!
ゲイ×ゲイはくっつくまでが楽しみではあるのですが、ゲイ×ノンケはここに葛藤が加わってきたりしますよね。
ノンケだからとかそういうのが付きまとってくるというか・・・
それを乗り越えてくっつく過程がやっぱり読んでてぐっとくるものがありました。
受でしたが、江藤は男前でしたよ!!!
描き下ろし・カバー下
今回はカバー下はなし。
描き下ろしはキュン多めのストーリーでした!!!
描き下ろしも相庭・江藤の話が好きです💛キュン・・・でしたね!!!面白かったです。
感想まとめ
2カプそれぞれ楽しめました!さすがは風緒さん!!!!!
もうね・・読み応えありましたヨ。1冊200P越えで分厚かった。面白かったです!
一途な子の想いが叶うのはやっぱり読んでて素敵だなぁって思いますよね。
愛する人か愛してくれる人か・・・
基本的には前者も捨てがたくてできれば愛する人と結ばれてほしいと思うタイプではあるのですが、好きな人がいると知ってて健気に想いを寄せる子も好きなのです。
今回は虻川が志田に気持ちが移っていって私は本当に良かった(´;ω;`)ってなりました。
志田のキャラが好きだからかしらね。
相庭と江藤は・・・こちらも読み応えあって内容的には相庭たちの方がより深かったような気がします。
どちらもオススメのカプなので興味を持った方は是非!
こんな人にオススメ
- ストーリー重視(絵柄もいいですけどね!)
- 愛してくれる人に気づいて絆されていく展開が好き
- 健気な年下攻めが好き
- ゲイ×ノンケの組み合わせが好き。
- BL特有の悩みや葛藤がある作品が好き
- 最後はハピエンで読後感が良い作品が好み