麻生ミツ晃さんの【きっと、幸せな結末】のネタバレ含む感想です。切ないけど、ラストはほっとするようなじわっとするような作品でした。
麻生ミツ晃さんは、しっとりとした作品がお上手。読者を引き込むのが上手いです。
ドラマを見ているかのような、正直かなり衝撃を受けた作品でもありました。内容自体に衝撃というよりは、作品全体の世界観に衝撃。面白かった・・・・
何より、年下攻めが健気でそこがまた泣けます。途中じわっとくるけれどラストは先生の作品だなぁと思うようなあたたかさ。これは気に入りました。
同時発売のもう1冊も購入したのですが、あちらもまた感想を書きたいと思っています。
きっと、幸せな結末 作品紹介
作者名 | 麻生ミツ晃 |
出版社/レーベル | 海王社/GUSH COMICS |
発売日 | 2019/1/10 |
藤雪の評価 |
内容紹介・あらすじ
ろくでもない男ばかりに引っかかるバーテンダーのすみれは、幸せを諦めて生きている。
親とも疎遠で、寂しさにも慣れているはずだった。けれど遠い親戚の大学生・佑真と再会し懐いてくる彼と過ごすうち、佑真との時間に安らぎを覚えていく。
一方、佑真はすみれへの想いを強くしていき――。せつなく愛しい年の差ロマンス。
ジャンル・テイスト
[keikou]年の差BL、[/keikou] [keikou]切ないBL[/keikou]、 [keikou]健気な年下攻め[/keikou]、[keikou] わりとビッチ受!?[/keikou]
注意ポイント
きっと、幸せな結末 感想レビュー
今回そういえば・・・黒髪×黒髪でした。黒髪同士だとぱっと見誰かわかりにくくなるのですが、年下攻である佑真(ゆうしん)には目元に二つのホクロがあるのでそれを目印に(*^_^*)
遠縁の二人。お互い何かを抱えていいます。
そして一緒にいることで自分を見つめ直したり、受け入れたり・・・そういうのが描かれていたように思います。
作品の背景
駄目な男ばかりにひっかかる主人公のすみれ。そんなすみれのところに高校2年生の佑真がやってきます。
すみれには見覚えがないのですが、彼はすみれを知っていて・・・
遠縁にあたるようですが、佑真はすみれを頼ってきたのでした。ちょうど修学旅行中なのですが、学校には病欠と伝えてすみれのところへ来たようです。
そして修学旅行の間、一緒に居て欲しいという。
そんな佑真を受け入れるすみれ。そして一緒に過ごすうちに、佑真がよく言葉をのむ事に気づきます。
本当は何か言いたい事があるかもしれない、でもそれを飲み込む彼。。。。
それでも穏やかに日は過ぎていきます。
が・・・なんと部屋で佑真が襲われそうになっているところに遭遇してしまいます。
相手は。。。すみれの元カレ。
佑真を傷つけられたと思ったすみれは激怒し、元カレを殴るのですが・・・何と佑真から誘ったのだという。
理由は・・カラダの関係を持てばはっきりするかと思ったから。
佑真は自分がゲイなのかどうなのか・・・悩んでいたようです。
だから親戚誰もが知っている・・・ゲイのすみれのところを尋ねてきたわけですね。
5泊6日のたった短い期間の出来事・・・それでもすみれの中では思い出の数日・・・そのまま佑真は家に帰っていってしまうのですが・・・佑真が大学進学を機に2年後に再会します。
再会してからふたりの関係も動き出します。
面白いなと思ったところ
やっぱり年下攻の醍醐味というか・・・面白いところといえば!!!
成長過程にキュンとなるところでしょうか。年下攻めといえば・・・グイグイくる事が多いのですが、[keikou]佑真はそっとすみれを見守っているところがあってそこがとても良い。[/keikou]
二人で居るときだけ穏やかに時間が流れている感じがします。
でも・・・最初からふたりの気持ちが向かい合ってたわけではないのですよね。
佑真はすみれの事を意識しているのですが、すみれは気づかず。
それでも健気にそばにいるところがとにかく萌える。
すみれは「雑にされたい」「乱暴扱われる」ほうが彼の所有物のように思えてイイという。
でも佑真は好きな人は「大事にしたい」と・・・恋愛観的には正反対に見えるふたり。
すみれの場合は・・・今まで大切にしてくれるようなそんな人と出会ったこともなかったから自分を卑下しているところがあったりします。
だから最初から諦めて求めることもしない。
そんなすみれを変えたのは他でもない佑真なのですよね。
佑真がすみれを大事い思っているのは作品を通してひしひしと伝わってくるの切ないほどに。
そんなすみれも彼に大切にされていると徐々に思いはじめて気持ちが傾いていっているのも読んでてわかる・・・
でも絶対に佑真に「好き」と言わせない。。。ここも一つのポイントです。
自分が変わってしまうのもそうですが、佑真を受け入れたら彼もまた変わってしまうのではないか?自分に引きずられて不幸になってしまうのではないかと不安思ってしまったかなと感じてしまいました。
佑真はまだ引き返せる、女の子も好きになれるかもしれないと突き放している場面もあります。
そんな態度のすみれに激怒した佑真ですけど・・・結局は嫌いになんてなれないのですよね。
ホントに一途ですごく素直でいい子。。。
佑真だからこそ、すみれが最後に幸せになろうと手をとったのだと思えるくらい・・・本当にいい子。
基本的に・・・すみれのような受は正直好みではないのですけど・・・佑真がいたからこそこの作品にすごくハマったというのがあります。
自分の人生をちょっと諦めたかのようなすみれですけど・・・
危ない目に合ったときに一番に佑真の名前を呼んだ時はぐっときてしまいました。
作品を通して、少しずつお互いが「特別」になっていくのが手に取るようにわかるから・・・途中苦しかったりしたけれどタイトル通り「きっと、幸せな結末」だと思えるラストでした。
佑真もすみれに「特別」って言ってもらえて良かったです(T^T)
私が雑誌で読んでたのは、ラスト電車に乗らずにいた佑真とすみれが再会したシーン・・・。
[keikou]だから・・・描き下ろしがむちゃくちゃ良かった(T^T)[/keikou]
これを読めただけでコミックスを買って良かったと思いました。
描き下ろしは雑誌ラストの続きから。
ホーム向かい側にいた二人が再会したシーンからでしたヨ。
この描き下ろしでやっと・・・やっと佑真がすみれに「好きだ」と言えるの。ここは必見です。
気持ちを口にすることができなかった佑真が泣きならが気持ちを伝えるシーンはただただ感動。
麻生ミツ晃さんの作品の見せ方が大好きです。ラストまで重要で魅せる作品でした。
佑真は最高の攻だったなぁ・・・・と何度でも読み返したくなってしまう・・・そんな作品。
感想まとめ
個人的には2冊発売された作品の中ではこちらの方が好みで好きなテイスト。
やっぱり一途な年下攻というのが好みなのでツボでした。
佑真だからこそ、すみれが変わっていったと思えます。すごく丁寧に描かれた作品だなぁという印象を受けました。
麻生さんはほんと切ない作品が多いけれど、ラストはあたたかさもあってクセになります。
感情が揺さぶられる・・・お気に入りの1冊となりました。
オススメな人
- 切なめのBLが好み。
- 年下攻、一途な攻が好み。
- 傷を持った人が、幸せになっていく姿が読みたい。
あてはまる人は是非読んでみて。
電子書籍
麻生ミツ晃さんの作品入門編
私の大好きな作品4冊紹介。
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