私も大好きな宦官シリーズ3作目のBL漫画感想です。こちらはバラ売り時から読んでました!今回はちょこっとテイストが違ってて興味深く読でんました。
皇帝と宦官シリーズなのですが、今回は皇帝の弟と宦官。のちにこの弟が皇帝になるというシナリオで回収の仕方が素晴らしかったと思います。
美しさもありながら、悲劇性も持ち合わせている宦官。
彼らが皇帝と会って幸せになっていく姿はやはりぐっとくるものがあって面白いなと思います。
これからもこのシリーズ続いていってほしいですね!
作品紹介
内容紹介・あらすじ
美貌と閨房術で皇帝を誑かし国を傾ける宦官。都で知らぬ者はいない稀代の毒夫――それが虞淵(グエン)だ。
ある日、虞淵は街中で精悍だが純真な男・泰山(タイザン)に出会う。暇つぶしに弄んでやろうと思いつくが、男の正体は皇帝の弟で…。互いの正体を知らずに逢瀬を重ねる二人は、やがて強大な運命の渦に飲みこまれてゆく――。
電子書籍で圧倒的人気の「皇帝と宦官シリーズ」。壮絶にして衝撃。愛と救済の軌跡。
単行本描き下ろし32ページと電子限定の描き下ろしカラー漫画1ページを収録!
作品のポイント
- 純粋な皇帝の弟×復讐にもえる宦官の切ないBL
- 立場は関係なく惹かれあう2人
- 正体を知ってからのそれぞれの気持ちや行動に切ないけどぐっとくる
- 兄である皇帝と宦官の関係もみどころ
注意ポイント
【ネタバレ注意】傾国の宦官 感想レビュー
悲恋まっしぐらだったこの作品・・・どんな結末を迎えるのか本当に最終回までわかりませんでした。
読み終わって思ったことは、ただただ感動。ほっとしましたヨ。やっぱりどれだけ窮地になっても、どれだけ離れ離れになりそうでも・・・最終的にはハピエンじゃないと・・・ってすごく思いました。
今作はそう思うと、本当に知らないところに抜け道が作ってあっておぉ~~~そうきたか!!!と思う事が少なくなかったです。
よく設定も練られてたなぁと。
皇帝の弟×王族を恨む宦官
今作は宦官と皇帝の弟とのお話です。この宦官はちょこっと訳あり。
シリーズ三作品を読んで思ったのは、ピュアさで言えば皇帝と宦官>
帝國の宦官>
傾国の宦官かなぁと。
私が今のところ好きなのは【帝國の宦官】です★これが一番男×男!みたいな感じで好みでした。
それに・・・幼い頃に会ってたというエピソードもあって、一途攻めという大好きな展開だったので。今作とは違うけれど、気になった人は是非読んでみてほしいです。
皇帝の弟×王族を恨む宦官と書きましたが、どちらも訳ありです。立場を知らずに出会った2人が恋に落ちていくという展開。
今作の宦官は、悪名高き宦官・・・虞淵(グエン)で宦官になった経緯が・・・ほんと悲劇なんですよね。
だから皇帝に仕えているけれど王族を根絶やしにするという謀略を企てていたとしても納得です。
一方の皇帝の弟である泰山(泰山)は農夫となって田舎暮らし。
泰山がどうして皇帝になろうとしなかったのか・・その理由ものちに描かれています。前半は本当に色々な事が描かれていて読んでてすごく興味がわきました。
皇帝から距離を置いている泰山ですが、家臣はあまりの皇帝の頼りなさに泰山に皇帝になるように言ってきます。
「これでは王朝が亡びる」と。
皇帝になるかもしれない男と、皇帝を意のままに操り王族を根絶やしにしようと企む宦官・・・敵対関係にある2人が出会って恋に落ちていく・・・悲恋のニオイがプンプンしてくるでしょ★
中盤は、正体がバレてからの2人の葛藤やそれでも惹かれあってしまう姿とか、泰山よりも虞淵のほうにわりと感情移入してしまいました。
虞淵の名は陽明!?
2人は温泉?みたいなところで初めて出会うのですが、入ってきたグエンを見て女湯だと勘違いしてしまう泰山とかちょっとかわいかったです。
その後、再び謝りにきた泰山に名前を聞かれたグエン。
すると、「陽明」だと名乗ります。
これは、後半にこの虞淵には双子がいたという話が入ってきてそこで色々とわかりますヨ。
お話を読む上では、虞淵、陽明2つの名前を持っているというのを心に留めて読んでいくとイイと思います。
惚れさせて捨てるつもりが・・・
虞淵が泰山に近づいたのは、最初は単なる遊び。
人の良さそうな男を惚れさせて、ぽいっと捨てるのが趣味なようで、単なる暇つぶしみたいなものだったようです。
なのですが・・・この泰山の人の良さっぷりというか、ピュアなところが虞淵のその気持ちを変えていきます。
ピュア+虞淵の事をちゃんと見てくれているというところも!でしょうか。
「やり遂げなければならないことがある男の目」と。。周りは虞淵の美貌でほろっと行く人が多い中、泰山は虞淵の目に男の強さを見たようでしたね!
だから最初から泰山は「女性」のような虞淵を気になったわけではなかったのだなぁというのが分かります。
そのように言われてからは泰山を弄ぼうと思ってた虞淵ですが、振り回されているのはけっこう虞淵の方だったりして面白いです(o^―^o)
ただ、ちょっとやそっとでは虞淵は絆されたりしない!というくらいに王族に対しては恨みが強いのも事実。
虞家の双子 陽明と淵
虞淵が宦官になった経緯が描かれています。読むのはツライですね。
虞家は王族に滅ぼされてしまったのですよね。そしてその中には双子がいました。それが淵と陽明。
王族のだれかは知りませんが、双子のうちどちらか一人を生かしてやろうと言います。(ただし宦官として)
今虞淵が生き残っているので、もう結果はわかっていますよね・・・
なのですが!泰山に名乗ったのは「淵」ではなく「陽明」でした。なぜ!????ですよね。だから最初ワタシは、名前は本当は陽明なんじゃないかと思ったワケです。
違いましたけど笑
本来の虞淵って最後まで読むととてもやさしくて愛情深いんです。
とっさに王族皆殺しという成し遂げなければいけないコトを背負った「虞淵」というのは隠したかったことなのかなと思いました。
そして亡くなってしまった双子の片割れちゃんを自分を通じて生きさせていたのではないかなと思いました。
最後は【虞】という名は捨てると言っているので、そこでやっと恨みから解放されたのかなと思える場面がありました。是非、そこはどこか探してみてくださいね!
解き放たれる時
中盤で、傾国の宦官と言われる虞淵・そして皇帝の弟である泰山だとそれぞれの正体を知った二人。
虞淵は、泰山が動くタイミングで皇帝もそして自分をも命を絶とうとしますが、泰山の言葉に揺らぎます。
ここで・・・この流れは泣いて終わりかな!?と思ったら違いました(T^T)
虞淵が・・・(T^T)
皇帝に刺されてしまうという・・・皇帝は虞淵を自分のものにしたいと思っての行動だと思います。
彼もまた悲しい人生でしたね。皇帝の器ではないと言われ、時期皇帝は泰山だとウワサされる中泰山がいなくなってしまって皇帝にならざるを得なかったのですよね。
そこで縋ったのがおそらく虞淵だったのだと思います。
だから彼にとっては虞淵は大切な人・・・そんな人を泰山に奪われたくないという気持ちも出てしまったのかも!?
刺された虞淵は、生と死の間で陽明や家族と会います。
幸せなはずなのに、泰山の声が聞こえたような呼んでいるような感覚になりただ一目会いたいと願いいます。そして・・・
目を覚ました虞淵は泰山と共に生きることを決心するのですよね。
一緒に生きていくと決心したときに【虞】という名を捨てます。
これは、背負ってた王朝を滅ぼすという役目を自ら捨てたコトにもなるのだと思います。
やっと重かった荷物を捨てたのだと・・・そして淵に新たに守りたいモノができたのかなと思ったら・・・なんかじわり。
これからは【虞淵】ではなく単なる【淵】なのですね。でも少ししたら皇后になってましたけど(≧∇≦*)
ママは貧乳
笑いました。子供達かわいいですね!
初対面の時は、俺たちが守るんだ!と息巻いてたのにすぐ淵に買収されちゃって(笑)
あれからいろいろあったけど家族になっているのと思ったらちょっとじわり。
子供達にとってもいいママになっているのだろうなぁ想像つきます。
両陛下になった二人はホントに幸せそうでしたね!淵も今までツライ思いをしてきたから泰山と一緒に幸せになってほしいです。
悪名高い宦官と言われた虞淵。でも、ラストまで読むと本当に愛情深くてとてもいい人なのだろうなというのが分かります。
泰山が他の妃を!?!?とちょっとモヤっとしましたが、そのあたりはちゃんと兄が頑張っているようでした。ほっ。
気になる描下ろし
描下ろしがとっても気になりました。成長している子供達。
相変わらずラブラブな泰山と淵。
そして・・・兄の羅鄷(らほう)には子供ができていました。
気になったのは・・・子供ができたことによって兄がやたらと政権に関して興味をもちはじめたこと。
自分の子が可愛くなったのかもしれないけれど・・・今後繋がっていくのかなぁ!?なんて気になりました。
愛情があるからこそ、我が子をいい地位にと思うのは親心。
だから・・・・けっこう不安な描下ろしでもありました。
でもその当たりは淵がしっかり手綱を締めて泰山のために尽力しそうですね(*^_^*)
なんとも頼もしい皇后様ですよ!!!
感想まとめ
すっごくドラマティック。
ドラマティック性で言えば今作が一番かしれません!シリーズ2作目も相当ドラマティックですけど、それ以上になんか・・・
ラストに向かうまでが凄かったです。
このシリーズは続いていきそうですね!
次は泰山の子供とかかしら?はたまた違う皇帝でしょうか。
新作を楽しみに待ちたいと思います。
バラでも読んでいましたが、コミックス版には描下ろしが32Pもついていてこれがすごく良かったです。
淵は。。。泰山にあの日出会って良かったね!って思いました。
面白かったです!!!
マイナス0.5はなんでしょうね・・・やっぱり陽明にも生きていて欲しかったなぁと思ったのでちょっと辛くて。
なぜ陽明があの時殺されてしまったのか、俺を殺せといったのか自分が生き残りたいといったのか・・そういうのも少し知りたかったかもと。
でも、どのシリーズでも宦官としてしか生きられなかった彼らの背景はそれぞれのドラマというか事情もあって読み応えがあります。
幸せになってくれて本当に良かったです。
オススメ作品ですので気になった人は是非!
電子書籍
傾国の宦官
シリーズ無料お試し読み