ココミさんの【傷心男に春のはらし】BLコミックス感想です。こちらは巻末を見ると、第1話がechoz2017年12月号に掲載、その後GUSH2018年4月号、GUSH2019年4月号、9月号掲載ということで。。。けっこう間が開いています。
コミックスを読んでみるとわかると思うのですが、1話目がけっこうたっぷりでこれは読み切りで描かれたものなのかな?と。
その後続編として2話目が。これも読み切りみたいな感じっぽいかなぁと。
1冊で大きな区切りが3つあるのでとっても読みやすい作品だと思います。内容的には年の差ですごくあったかくなるようなお話。
読後感もよく、ココミさんがますます好きになるような。。。そんな作品だと思います。
ココミさんは少し前に出た「リスタートはただいまのあとで」がすごく好きなのですが、それと同じくらい気持ちがあったかくなります。おすすめ!!!
基本的にほのぼのキュンな作品がお好きな人は気に入る作家さんではないかしら。絵柄もとても優しい繊細な感じがします(*^_^*)
【作品名】 作品紹介
作品内容
フォトグラファーの夢破れ、人生諦めモードで過ごす栄輔は、唯一の癒しである近所の桜の木の下で一人の高校生に出会う。
思わずシャッターを切ってしまうほどの美男子・櫂は、のちにお向かいさんだと判明。
その後、毎日のように栄輔のボロアパートに入り浸るようになる。
非の打ち所がない優等生は栄輔の前でだけは自然体でいられるらしく、栄輔自身も櫂との時間を大切に思い始めていた。
しかし、櫂の好意が恋愛感情だと知り、栄輔の中に戸惑いと不安が膨らみ――?
ポイント
- 隣人年の差BL
- 基本的に胸キュン作品
- 色々な葛藤や変化はあるけれど、わりと安心して読んでいられる。
- 続きが読みたくなる。
注意ポイント
どこか素直になれない光臣と、優しく人当たりのいい方言男子・大和のほっこり田舎BL!
【ネタバレ注意】傷心男に春のあらし 感想
こちらはすごく面白くて、到着してから何回か読んでいます。恐らく・・・「ひだまりが聴こえる」とか「彼のいる生活」とかがお好きな人であれば気に入るのではないかと思っています。
さらっと読める作品で、しかもあまりエロくはない。
胸キュンいっぱいだから初心者さんも安心して読めますヨ。ココミさんの描く二人の関係がすごく好き・・・
年上の栄輔がこれまたピュアだからいいのかなって。15歳年下の櫂(かい)に告白されて一度は突き放すけれど、ちゃんと好きになってデートとかも浮かれてる姿とか!
かわいい大人だなぁってほっこり。
この作品を読んで個人的に思ったみどころをいくつかあげてみたいと思います(*^_^*)
- 隣人で年の差15歳!
- 写真が二人を引き合わせる
- 出会った事で二人の将来が変わっていく
- 突っ走りたくなる年下と臆病になる年上
特に個人的に気に入ってるのは、出会った事で諦めてた写真にもう一度挑戦したり・・・自分の将来やりたい事を見つけたりするというところ。
出会ってなければやさぐれたままの栄輔だったでしょうし、櫂もまたなんとな~くで就職してそうだったので本当に出会った事がプラスに働いたのだなぁと。
あとは、年下くんがグイグイくるのがいいですよね。ただ、櫂は絵に描いたようなグイグイではないです。
ある意味大人。
ただ・・・欲求はそれなりにあるので手を出すのはいつも櫂です。(そこがまたいい)
年の差ならではの葛藤や不安があるものみどころのひとつだったかしら☆
隣人で年の差15歳!
栄輔と櫂は隣人。栄輔が住んでいるアパートからはサクラの木がよく見えていて、その景色が好きだった。
でも半年前に櫂の家が建ってからはサクラの木が見えなくなってしまったのですね。サクラの木のあの景色があったからこそずっと住み続けてきた栄輔にとってはもはやここに留まる理由もなく。。。。
そんな時、葉サクラになった木々を写真に写そうとしていると・・・一人の美少年と出会います。
彼はなぜか栄輔の事を知っていて・・・後々、その一軒家の長男だと栄輔は知ることに。
大好きだったサクラの景色を独り占めしている家の子・・最初は仲良くなんてするものかと思っていたのに何故か懐かれてしまいます。
櫂は栄輔のアパートに入り浸るようになり・・・このあたりは櫂によって少しずつ栄輔が変化していくのも面白いです。
隣人という点では、中盤~終盤あたりにお父さんが登場して関係を話そうとする櫂にかなり戸惑ってしまった栄輔だったり(まだ二人の関係は知られていない)色々ハードルが高いことは予想されます。
両親に二人の関係がどうこうというところまでは描かれてませんでしたが。。。いつか二人の関係を認めてもらえるといいなって思います。
写真が二人を引き合わせる
二人にとって重要なアイテムになってくる【カメラ】そして【写真】。栄輔はもともと写真を撮る人で、その写真で食べていくことを夢見ていたのですが挫折。
今はフリーライターとして記事を書いたりして生計を立てています。
それが櫂との出会いでまたカメラに向き合う事になるのですね。
一度諦めたものをまた挑戦するというのはどれだけの気力と決心がいったか。それを後押ししてくれたのが櫂であったのは間違いないです。
その後、出品作品が入選しカメラのお仕事も少しずつ来るようになります。ほんと何が起るかわかりませんね(*^_^*)
そして櫂もまた・・・父親の再婚で出来た家族・義弟とどう接していけばいいのかわからずに居たところでの栄輔との出会い。
栄輔が年上だったからよかったのかなぁ!?と思う場面があります。
そういう悩みとか打ち明けられる人がいるってとても心強いですよね。
そんな櫂ですが・・・・栄輔からトイカメラをもらい、少しずつカメラにも興味がでてくるの。
大学に入ってからもカメラは撮ってたようで、それを栄輔に見せてたり。
以前は本を読むのが好きだから漠然と本や出版に携わる仕事がしたいと思ってた櫂。でも栄輔との出会いでアート系の雑誌編集の方へ進みたいと考えるように。
描き下ろしでは立場は違うけれど、一緒に仕事をしている二人が読めてすごくよかったです!!!!
年の差BLにおけるカミングアウト問題
と書きながら・・・これは年の差BLだけの問題ではないのですけどね。
栄輔と一緒にいたと父親に知られた櫂は、栄輔との関係をお父さんに話そうとします。がここは栄輔がSTOPかけるの。
「いつかは言わないといけない事」と言う櫂に「それは今じゃない」と答える栄輔。
いつならいい?という問いには櫂はまだ若いからこの先何があるかわからないと返事をしてしまいます。それはどういうことかというと・・・
暗に「別れるかもしれない」という意味合いを含んでいるのですね。
それに気付いた櫂はわかりもしない未来の事は親のことばかり考えて俺の事を見てくれてない、見てくれますか?と。
こういうのは意外に年の差カプあるあるかなぁって思います。
お互い若かったら突っ走ることもできるかもしれませんが・・・どうしても年上の方がこれから先まだ櫂には出会いがあるとか色々な可能性を先に考えてしまうから。
[keikou]この二人がすごく好きだなぁと思うのは、ちゃんとケンカしてもお互い意固地にならずにしっかり考えているところ。[/keikou]
二人とも冷静になることができるからケンカもわりと理性的に終わらせることができます。
わりと櫂が大人なんですよね。それは性格なんだと思いますが。
櫂が出した答えは、ちゃんと栄輔の気持ちをくむような答えだからほんといい子だなぁ~って感心してしまいました。
今は未成年で自分で責任を取れる歳ではない。だからきちんと自分や家族に対しても胸を張っていられるようになったら家族に言いたいって言うの。
それを聞いて嬉しそうな顔で「その時は俺も腹くくるわ」って言う栄輔がすごく好き。
なんかすごくキュンってなってこういう年の差BLいいなぁって思いました。
感想まとめ
ラストは栄輔の個展が開催されていて、実の母親に櫂が栄輔のことを「大切な人」って伝えていたのがよかったです(*^_^*)
「大切な人」って言っても恋愛の意味でとったかは不明ですけども。
それでも少しずつ伝えていくというところに櫂の本気を見た気がしました!
栄輔が腹を括らなければいけない日もそう遠くないのでは!?