林らいすさんの【兄は元彼】の感想です。こちらはデビューコミックスだそうで!そう思ったらすっごいクオリティだと思います。
雑誌で読んでた時は、★4くらいかな?と思ってたのですが、何度も読むとじわじわとあとから面白さを実感するという。。。最終的にはもっと評価あがりました!
絵柄は独特なのですが、慣れたらすごく味のある絵柄で、私は好きです(*^_^*)
綺麗な絵柄も好きなのですが、独特な作風の作家さんってストーリーとマッチし出すと魅力倍増で素敵になりますよね!
兄は元彼 作品情報
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作者名 | 林らいす |
出版社/レーベル | 新書館/ディアプラスコミックス |
発売日 | 2017/11/1 |
紙書籍 |
[voice icon="https://snow-blmanga.com/wp-content/uploads/2017/10/00532cec2b4fec15c3ea3370f31e8551.png" name="藤雪評価" type="r"]満足度★★★★★[/voice]
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内容紹介/あらすじ
中学生の遊(ゆう)は、兄の学(がく)とふたり暮らし。そんな遊の日常に、ある日激震が!遊の目の前で、兄が男に殴られたのだ!殴ったのは、ハデななりした有名写真家・穂高(ほだか)。しかも痴情のもつれが原因らしく……!?
作品のみどころポイント
タイトルから面白いですよね。
「兄は元彼」
主人公視点の兄と兄の元彼のストーリーになっています。
弟くんはBLにはほぼ関係なくて・・・兄と元彼が別れる原因でもあり・・そして再会するきっかけにもなる重要人物。
すごく面白い視点だと思いました。
こういうのは本当に新鮮!切り口が面白い!最初雑誌で読んだときは,弟くんと元彼がくっつくストーリーかと思って1話を読んだのを思い出します。
でも内容は全然違った・・・。すっごく素敵なストーリーになっているので是非注目して読んで見て欲しいと思います。
注意ポイント
※ちなみに・・表紙の男の子は弟くんでも兄でもありません。兄の元彼です!
兄は元彼 ネタバレあり感想
1読したとき、2回目3回目読んだ時・・それぞれに感じ方が違ってじわじわくる作品。
読む度に個人的には評価が上がっていきました。
何が面白いかって、弟視点ということ,兄と元彼との関係がすごくピュアだということ・・・。
大好きな展開でもうね。。じわりときたの。
一番じわりと来たのはやっぱりお兄さんが元彼に別れを告げた場面でしょうか・・・・。
また再会してお互い好きなもの同士だったってのは良かったですね!元彼はまぁ・・フラれてからはふらふらしてたみたいですけど(笑)
全部ひっくるめてまた元サヤに収まって良かった!って思う作品でした。
弟視点なのに弟は脇役という面白さ!
「兄は元彼」というタイトルから言って・・・きっと弟と元彼のストーリーになっていくだろうと感じてました。
弟の「遊」の語りから始まる このストーリー・・・。
主人公かと思ってたけど、真の主人公は兄なのですヨ。
兄と元彼の・・恋のストーリーが弟視点で描かれているという面白さ!
ストーリー重視の作品だとゾクゾクっとしました。
「あの真面目な兄でも恋をするのだろうか」
弟くんのこのワンフレーズ・・・まさにこれが主題です。
兄の長~い恋が1冊に収まってて本当に面白かった!
そして、モヤモヤとしないで読み進める事ができたのは、遊がゲイじゃないってとこですね。
遊が兄と同じ人を好きになるシナリオだとこれほど面白いと感じる事はできなかったかも。
あくまで傍観者で、、、だけど2人の関係を左右する重要人物で・・・弟くんのこの微妙な立ち位置も素晴らしかったです。
長い兄の恋がまた実るまで
「お兄さんそろそろ俺に返してよ」
いつもハガキがくる来島穂高の写真展へ兄に黙って梅子と行った弟の遊。
そこで穂高本人に会い、写真のモデルを頼まれます。
兄に黙ってハガキを持ち出した事を言えない遊は、モデルを断ろうと決心するのですがここで穂高とばったり会ってしまいます。
そんな穂高から・・・お兄さんを返してと言われるシーン・・・。
そこへ兄も偶然居合わせるのですが・・穂高は急に兄を殴ってしまいます。
「お兄さん俺に返してよ」と言っていたのに、会った瞬間殴るとかえぇ~~~~!ですが・・・ちゃんと殴った理由も描かれていて読み進めると本当に面白い!
2話目からは兄と穂高の出会いから付き合い、そして別れと描かれています。
これがねぇ嫌いで別れたとかではないから余計に切ない。
だからこそ、別れの場面ではズキッと胸が痛くなってしまうのでしょうね。
8年間ずっと穂高も兄の事が忘れられなくて、兄も穂高以外の人はいなくて・・・また付き合えばいいんじゃない?と思うけどそれもそう簡単ではないの。
兄は、遊を育て上げるという使命があるんですよね。
両親がもういない2人(母親は亡くなり父親は蒸発)にとっては・・・2人で生きて行かなければいけない状況なんです。
そして遊はまだ学生。
お兄さんが働いて生きていかなきゃいけない。自分のコトを優先して生きる程、器用な人ではないということだったんでしょうね。
もうねぇ・・中盤から胸がギュッギュッてなるの。。。兄と穂高の再会してからの会話とか・・・自然に胸があつくなってしまいます。
イイ感じになったかと思えばまたそうじゃなくなって・・・
それは、兄にとっては一番が遊だからなんですよね。
不器用な兄だからこそというのがうまく表現されてて、そこがまた切ないけど面白いなと思った所でした。
そしてね、何が好きかって・・・合間合間にあるモノローグ・・・。
すごくぐっとくる言葉が並んでるの。
ここは林らいすさんの言葉のセンスを感じました。
すごく素敵なんです。
あと、本当にセリフひとつひとつに心もっていかれちゃう。
何度も本意ではなくても穂高を振ってる兄は・・・自分も諦めるために穂高に振ってもらおうとちゃんと告白しに行くの。
その時のセリフが好き。
「俺は お兄ちゃんは辞めらんないし これからも長生きしなきゃなんだけど」
「この人と一緒になら死んでもいいって思ったのは後にも先にも穂高一人だけなんだ」
って差し出したバラの花1輪。
この「一緒に死んでもいい」っていうのは・・ちゃんと過去の部分にどうしてこういうセリフが出てくるのかというのがわかるようになっているのでさすがだなぁと!
それに、なんかね・・ただ好きって言うのではなくってこのセリフに兄の気持ちが詰まってるなぁって感じる事ができるのがスゴイ。
結局「お友達から」ってことで収まったんだけど・・・そんなわけ・・・(ヾノ・∀・`)ナイナイ
建前は「友達」だけど、すでに恋人って感じです★
8年ぶりのエロも・・すっごく良かった。
短かったけど、、、、エロでこんなじ~~~~~~~んとなるのって久々。
本当に面白いです。
描き下ろしも最高
描き下ろしが実は番外編「兄は今彼」の前に入っているのですが・・これが本当にイイ。
面白かったです。
兄は元彼で、穂高のトラウマで・・そして運命の人ってなんか・・・そりゃくっつくよね!って納得の描き下ろし。
色々と萌えもあって満足でした。
「兄は今彼」もすごくわかるなぁと言う展開で、これも面白かったです。
「あの真面目な兄も恋をするのだろうか」
このモノローグからはじまったストーリー・・・
兄は今もまだ青春真っ只中らしいですよ!!!!
感想まとめ
何度読んでも面白いと思える作品だと思います。
私なんかは回数重ねるごとに評価がぐんぐん上がっていきました。
兄の恋・・・本当に最高でした。
これがデビューコミックスとか!!!
林らいすさんは雑誌でお見かけしたことがあったのですが、それはコミックスにはなっていないって事なんですね。。。
この作品ですごくファンになったので、またいつか過去作品もコミックスに収録されたらいいなって思います。
また次回作が出たら必ずチェックしますヨ!
気になる人は是非読んでみて下さいね。個人的には2回以上は読んで欲しいなって思う作品です。
電子書籍
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