イァハーツで連載中のハルさんの作品『4月の東京は・・・』の紹介です。
こちらは上下巻で完結なので読みやすいと思います。
ハルさんといえば!『アクマと契約』が大好きでそこから読み始めたのですが、とっても読み応えがあります。
今回はイァハーツで連載といういうことですごく期待していました。
初恋×初恋ということで、初々しくピュアさも残しながらどこか痛々しい感じもありシリアスめ。
目が離せない展開が続いてハラハラ。
再会BLで何か謎というか、企みでもあるのかな?と思ってたらそうでもなさそうで。
ただ言える事は、二人ともが本当にお互いかけがえのない、忘れられない人だということ。
【4月の東京は・・・】作品紹介
上巻の紹介
内容紹介・あらすじ
「嫌か? 俺とセフレになるのは?」
新入社員としてアメリカから東京に戻ってきた和真は、
会社で中学時代のクラスメイトで、
今はトップデザイナーとして活躍している蓮と再会する。
中学3年の夏の突然の別れ以来、10年ぶりの再会だった。
親友で初恋の人で、──初めての相手、それが蓮だった。
相変わらず綺麗で、強くて、
和真は蓮と一緒にいるだけで幸せになれた。
けれど、蓮は不自然なほど中学時代の話題を避け、
仲のよかった元クラスメイトとして振る舞った。
それは蓮がゲイであることに負い目を持っており、
和真に拒絶されることを何より恐れていたからだ。
でも、ある夜、ふたりは再び関係を持ってしまい!?【電子限定のおまけマンガ(6P)を巻末に収録配信!!】
amazon 作品紹介より
作品のポイントはこんな感じ。
- 再会BL
- お互いが初めての相手
- 設定的にはノンケ×ゲイだけど、実際はお互いが好き
- 過去に離れることになった理由を攻は知らない
ここから下はネタバレ含む感想になりますのでご注意ください。
ネタバレ注意【4月の東京は・・・ 上巻】の感想
ハルさんは作家買いなので紙で購入しました。
今回はカバー下にもあとがきだったり設定だったりが描かれているので紙で購入した人はカバー下も是非チェックしてみてください。
コミックスはとってもきれいな青空が印象的なのですが、内容としてはわりとシリアス。
シリアスなんだけれどピュアさもあってすごく魅力的な作品になっていると思います。
上巻・・・本当に切ない。お互い想いあっているのにうまくいかない。
本当のことが言えずに「セフレ」として接していかなければいけない状況が。。。
読みながら、お互い嫌いで離れたわけではなくてむしろ好きなのに離れなければいけなかったから・・・再会してまた盛り上がるのもよくわかります。
ずっと忘れられなかった人ですからお互いに。
幼い二人には抱えきれなかったこともきっと、大人の今だからこそまるごと受け入れたり話せなかったことも話せたりするのかもしれません。
蓮の過去がこれからちょこちょこ出てきそうですが、願うのは蓮と和真の幸せ☆
ハルさんだからきっと最後はハピエンんだと思うけれど、邪魔が入らないかとかビクビクしています(-_-;)
250P近くあるのでほんと読み応えばっちりです。
絵柄もきれいでほんと丁寧だなぁと感動してしまいます。ストーリー展開もすごく丁寧。
みどころ1:10年ぶりの再会
ストーリーは攻の滝沢和真が帰国し新入社員として入社したところからスタート。
その会社で中学のクラスメイトだった石原蓮と再会。実に10年ぶりの再会でした。
後の回想でわかるのですが、中学時代に2人は特別な関係になり無理矢理別れさせられたという経験があります。
冒頭で和真が『東京は 初恋の人がいた場所だ』と空を見上げているのですが、その『初恋の人』はすぐに蓮だということに気付くかと!
再会で喜ぶ和真と対照的に蓮はどことなくそっけない感じ。
なので最初は和真→蓮かと思ってたのですよね。
途中までは蓮の考えとか性格がよく解らなくてハラハラどきどき。
その分、和真が真っ直ぐで素直だからそのバランスも素晴らしいなと感じます。
みどころ2:2人の中学時代と家庭環境、そして別れ
中学時代といえば。。。色々なことに目覚めて悩んだりする時期ですよね。
蓮もそうでした。
二人は中学の同級生。
アメリカからやってきた転入生は和真。
日本への転校は恐怖でしかなかった和真ですが、皆はアメリカからやってきたというので興味津々。
あれこれ質問責めですごく困っていたところで蓮が助けるの。
これがきかっけでどんどん仲良くなってく二人。
でもここから蓮の秘密ができていきます。
想いを寄せたのは蓮が先。
彼は恋愛の対象が男性であることを自覚し始めてて悩んでいたようでした。
でも、好きな和真はノーマル。蓮は他の男性と身体の関係を持とうとするのですがそれを和真に見つかってしまいます。
正確には、蓮のケータイに入って来たメールを見て和真が約束の場所で蓮がくるのを待っていたのですけどね。
蓮が他の男性と一緒にいるところを見て「触るな」と声をあげる和真は、ただ寝たいだけなら俺としよう?と蓮に持ちかけます。
そして話に欠かせないのが・・・2人の家庭環境。
和真の両親は離婚し、母親と共に日本に戻ってきたのが和真。
蓮の家は・・・医者一家。
父は大きい総合病院の院長で父も医者。
そして蓮の兄も医者を目指しているのだそう。(兄はスピンオフでお話がりますよ!)
10年後の現在は・・・お兄さんはもうお医者さんかもしれませんね。
蓮も当然医者を目指しているのだろうと思っていた和真ですが、蓮はデザイナーになっていました。
話は蓮を引き留めたところ(中学時代)に戻しますが、二人は安っぽいホテルで初めての夜を過ごします。
このことが後の二人の運命が大きく左右してしまいました。
和真は熱を出し病院に搬送されることになるの。
風邪のウィルスが脳に浸透し、昏睡状態。そのため集中治療室に。
何が原因かを突き止めないと正しい治療ができない事もあり、蓮から事情を聞くお医者さん。
蓮は自分が和真にセックスを強要したのだと言います。
和真が嫌な目に合わないように、自分だけがその罪を一身に背負ってしまったのですね蓮は。
そして蓮は勘当されたみたいですね。
苗字が早乙女から変わっていたのはそのせいだったと思われます。
海外のアートスクールに行くことになったのでここで和真との別れになります。
でも、和真にもう一度会って伝えなければいけないと感じた蓮は・・・自分で手首を切って病院へ運ばれることに。
集中治療室にいる和真に会うにはそうやって侵入しなければいけなかったのだと思います。
実際和真がいたのは無菌室。
この辺りは無断で無菌室に入っちゃった・・・という感じはするのですが(^_^;)まぁ漫画ですので。
寝ている和真に「ごめん」と謝り、そして「好きだ」と伝える蓮。
今後の和真の様子は見守ることはできないので「生きてくれ」とだけ残して去っていったのだと思うと切ないです。
病院でのこのシーンは本当にウルウルします。
お互い好きで、でも離れなければいけない状況になってしまった2人。
二人の関係には家族は切っても切れない存在のような気がするので今後もどちらかの家族が登場する可能性は大だと思います。
この見せ方が実に上手いんです。ぐいぐい話に引き込まれて夢中で読んでしまいます。
さすがはハルさんだなぁと。構成がすごく好みで本当に面白い。
ずっと会いたかった人
展開的には身体の関係はもつのですが、気持ち的にはすれ違ったままです。
蓮は和真が感染症で入院している間、家を追い出されたということは絶対に知られたくないので話せないの。
だから過去の事はもう振り返りたくないと思っていると思う。
でも和真は違う。
突然いなくなった理由を知りたい、そう思って過去の事を聞きたがります。
だから蓮は一線を引くのですね。
「昨日のはセフレとしてだ」って。意味のあるものじゃないからお互いのプライバシーはノータッチでいようって言うの。
和真の知りたいという気持ちもわかるし、知られたくないという蓮の気持ちもわかるし・・・
読み手としては本当にどちらの気持ちもわかるから余計に切なくなってしまいます。
これがまたハルさんの上手いところなんですよねぇ。
多分和真のスパダリ属性が発揮される展開になっていくのではないかと思います。
ただ、作中で気になるセリフがあったのですよね・・・・
「お前に好きな女ができたらただの友人に戻る」って。
う~ん・・アメリカ時代の彼女がやってくるとかそんな可能性もあるかもしれませんね。
でも結局は諦められなくて素直になるとかだったらいいのですけど。。。
とにかく上巻では、二人がどれほど恋い焦がれて会いたかった人物だったかがわかるし、再会できて良かった(T^T)って思える展開になっていると思います。
そして描き下ろしの「告白」がまた泣ける。
なんなのこの描き下ろしは!!!ってちょっとウルウルしながら読んでしまいました。
もう何度読んでもウルウル。
和真と蓮が寝たときのお話で和真視点です。
抱きながら「会いたかった ずっとずっと会いたかった」って抱きしめるシーンと、それを聞いた時の蓮の目・・・これが最高なんですよね。
泣けます。
そして描き下ろしの「告白」がまた泣ける。
なんなのこの描き下ろしは!!!ってちょっとウルウルしながら読んでしまいました。もう何度読んでもウルウル。
和真と蓮が寝たときのお話で和真視点です。
抱きながら「会いたかった ずっとずっと会いたかった」って抱きしめるシーンと、それを聞いた時の蓮の目・・・これが最高なんですよね。
泣けます。
お互い好きなのに、会いたかった人なのに蓮はこのままでいいのかな、いいわけないよねと思ったりもするのですがこれからどうなるのか・・・
4月の東京は・・・ 下巻/作品紹介
内容紹介・あらすじ
14歳の春に出逢い、15歳の夏に離れ離れになった
Amazon 作品紹介より
蓮と和真は、10年ぶりに再会した。
お互いが初恋の相手にもかかわらず、
本当の気持ちを伝えることができないふたりは、
思いを隠したままセフレとしての関係を選び、
溺れるように時間と体を重ねる。
やっとふたりの気持ちが通じそうになった時、
思いがけない人が現れて……
初恋×初恋、ついに完結!!
【電子限定仕様! 描き下ろしマンガ(9P)を巻末に収録配信!!】
ネタバレ注意!4月の東京は・・・下巻 /感想
もう本当にハラハラどきどき。
真田~~!!!って感じでしたが、やっぱり和真ですよね★スパダリ発揮していました。
4月の東京は・・・というタイトルもしっかり回収されていましたね!
とっても読後もスッキリ。
真田という悪男
この真田・・・すっごい悪い男でしたね。
モブかと思いきや、下巻ではガッツリ関わってくるこの真田。
セクハラ・性的暴行疑惑・・・そしてそれを隠蔽するうに動いているっていう( ̄。 ̄;)
会社の社長も読んでてイラっときました。
真田って人に取り入るのが上手いというかなんというか。。。
蓮も襲われそうになってもう心臓がギュギュってなってしまいました。
悪党に追われている時に、過去に迫ってきた大人たちの影を思い出してしまう蓮。そんな彼が切なくて。
何年経っても心の傷って残っているし、忘れられないですよね。
ちゃんと和真が救ってくれたのでよかったです。
ある人との再会
セフレと位置づけながらも甘い時間を過ごす2人。
でも・・それも突然終わってしまいます。
和真母と蓮がばったり会ってしまうの。そして和真とまた会っていることがバレてしまいます。
和真母と会ったことで、フラッシュバックしてしまった蓮・・・
またも和真の前から消えてしまいます。
このとき・・・何も知らない和真は幸せそうな表情をしていてむちゃくちゃ切なくなりました。
幸せの絶頂の和真と。。。幸せからまた突き落とされたような蓮。2人の表情の対比にも是非注目して読んでみて!
八神は当て馬?それとも!?
登場したときから当て馬くんかな?と思っていた八神。。。
和真母と会ってしまったあと、蓮は八神を頼ります。
蓮の居場所を必死で探していた和真は、八神にたどり着き居場所を尋ねました。このとき明かされた蓮の空白の時間。
八神は蓮と留学時代からの知り合いなのですよね。
今まで蓮の過去を知らなかった和真は、八神の話にショックを受けます。
そりゃ知らなくて当然ですよね。知る術がなかったのですから。
それでも結ばれる運命の2人。。。
和真の心からの蓮への告白は。。胸にくるものがありました。
この告白の時、中学時代の蓮が描かれているのですが。。。それだけでホロリ。
感情移入しまくりのこの場面。。。ホントに気持ちが通じ合うだけでも胸アツです。
4月の東京は
タイトルにもある【4月の東京は】。。。これはある意味すっごいキーワードでした。
和真が蓮に会った時も4月。
再会したのも4月。
東京は、和真にとって懐かしい場所であり初恋の蓮が居る場所。
それが下巻ではこう表現されていました。
東京は俺にとって懐かしい場所だった、それが今は俺のすべてがいる場所だ
愛しくて素敵な世界だ
和真にとっては原点であり終着点のこの東京。そしてすべてが詰まっている場所なのですね。
すごいボリュームの上下巻でしたが。。本当にハピエンで良かったです。
感想まとめ
1話読んだ時には蓮がなんかくせ者というか・・よくわからずに小悪魔的に和真を翻弄していくのかな?と思っていたのですが・・・
全然違いました。
良い意味で裏切られた作品です。
超大作と言っても過言ではないくらいのクオりティ。
しかも!お互い初恋同士というのが個人的にはポイント高し。
2人の恋は。。。切なくて苦しくて、そして一途でピュア。
素敵でした。
途中でメインに加わった悪党真田・・・ちゃんと制裁受けて欲しいですね。
シリアスだけれど甘さも感じられる作品が好み!という人は是非手に取って読んでみてくださいね。
2人のその後も番外編で読めるので是非チェックしてみて★