森世さんのオメガバース作品です。森世さんといえば【ロマンティック上等】が好きなのですが、オメガバース作品においても色々な視点で描かれる事が多いですね。
今回の作品も双子の番と彼らの良き理解者になる斗和とのストーリー。とても特殊なのですが、その中にしっかりと愛があったように思います。
ヒートを起こして番になってしまった双子の切ない感情だったり愛情だったり。。。そんな彼らの癒やしみたいになっていく斗和がとても可愛らしかったです。
今回読むにあたって感じたのは、双子独自の結びつきみたいなものやαとΩのそれぞれの感情の違いがすごくよく表現されていたなぁと。とても面白かったです。何度も読み返しました。
ただ、3Pありますのでそういうのが苦手な人はご注意ください。
あいとまこと 作品情報
歪んだ双子とペット契約。数奇な宿命に翻弄される、みつどもえの純愛ストーリー。――元カレの負債500万円を抱えた斗和。彼は借金返済のためイケメンな双子と3ヶ月間の主従関係を結ぶことになった。超高級マンションでセレブ生活を送る双子は仲が良く、初めは斗和も2人の様子を微笑ましく感じていた。しかし実は双子には悲しき過去があり…。スーパーセレブツインズ×貧乏不憫男子。悩める人間たちのラブドラマ。
②斗和がイイ子すぎる。
③個人的にはどっちとくっつくかはっきりと読みたかった(〃・ω・〃)(多分ずっと3人一緒かな~)
コミックス情報&評価
[col3]
[/col3]
[col3]
[/col3]
[col3]
ストーリー | ★★★★★4.5 |
エロ | ★★★☆☆ |
満足度 | ★★★★★ |
ひとこと | 奥が深い |
[/col3]
[/colwrap]
あいとまことの感想は以下より。ネタバレ含みます。
あいとまこと みどころ・おもしろいなと思ったポイント
みどころは何点かこの作品にはあるかと思います。
①双子の番
②それぞれが心を通わせていく斗和の存在
③双子でもαとβαとΩ(失礼しました(〃・ω・〃))の想いの違い
④斗和がいてやっと落ち着いた関係になった!?
こんな感じでしょうか。
最初は3人かぁ・・3Pかぁ・・・って思ってたのですが、作品を読み終わる頃には3人というのが大事だと気づかされました。
というのも今回は双子を取り扱っていて、尚且つこの子達が番なんです。すごく特殊です。
今まで読んだ中で初めてのパターンでした。
双子でヒートを起こして番になってしまった2人。2人だけで一緒に暮らしてきたけれど、誰にも理解されるわけがない、でも理解されたいとずっと思ってたようです。
そこへ斗和が加わったことで少しずつ3人の関係がカタチを変えて発展していきます。
面白いなぁと思ったのは、最後はっきりと決着をつけなかったこと。
普通に考えたらα×Ωの組み合わせだと思うのですが、なんとなくΩ×Ωもありなのか!?なんて思ったり。
そう思いながら読み終わるのでまだまだ読みたい!という欲求はあるもののベストな終わり方だったのではないかと思いました。
これから暫くうちのわんこ
彼氏の連帯保証人になった斗和は彼には逃げられ借金に苦しんでいました。そんな時に現れた双子、誠司と愛司。
20万で3Pをするということで斗和は彼らと関係を持ちます。
本当に似ている彼らなのですが、斗和も最初はどっちがどっちかわからないんですね。読者の私もまったくわかりません( ̄。 ̄;)
服装も同じ時が多いし、けっこう難易度高いです(笑)
斗和は彼らと寝たことで、売りをする決心がつくのですが(借金が500万もあるため)、そんな斗和に専属のわんこになることを提案します。
1回20万で25回分ということですね(゚ロ゚屮)屮
そうそう!ここで忘れてはならないのが最初に斗和に声をかけたのは愛司だったのですが、これはね~最後にどうして彼が声をかけたのかというのがわかります。
すごいなぁ、こんな所から伏線が・・と感心しました。
3人で成り立つ関係
3Pって嫌いなんですよ基本的に・・・。でもね、このストーリーはそれぞれが欲しいものを補え合える関係ではないかと思います。
斗和は家族がいなくてすごく孤独に生きてきたのが分かります。
だから彼氏だった人にもだまされても尽くしてきたんだと思う。
そんな孤独な斗和の傍にいる2人。斗和にとっては家族ができたような感じだったのかなと。
そして双子の方も自分達の関係をおかしいだなんて言わない斗和がすごく貴重だったのだろうなぁと。
「自分達の関係」ってなに???と思うと思うのですがそれは後述しますね。
頼って頼られてそれが一番均衡の取れる関係なんですヨ。それが三人で成り立つのもすごくうまく考えられているなぁと思いました。
双子の番
読んでて一番驚いたのはこの双子ちゃん・・最初は二人ともΩだと言っていたのになんと!α×Ωの番だったんです。
番なのに他の子とも寝ちゃう(3P)とかすごいなぁと思うのですがこれにも理由がしっかりあって読むとわかってきます。
うわぁと思うことにもちゃんと理由があって、それを知った時はなんとも言えない気持ちになる・・・それがこの作品かなぁ。
今まで双子で番というのを知ると、引いたり面白がっていたのに、斗和だけは「簡単におかしいとか言うつもりはない、だってちゃんと好きなんだろ」って言うんです。
それがきっと愛司には嬉しかったのではないかなと。
でもね、気になったのは「うん好き」って言ったあとに「世界中で唯一の可愛い弟」って言ったことですね。愛司にとっては弟なのかなって・・・。
ここがまず引っかかりました。
誠司のほうは「一生愛してるっていう証」と首元の噛みあとを見せたので、なんとなく最初は気持ち的には誠司>愛司なの?って印象でした。
似ているけれどきちんと個性がある双子
最初はどっちがどっちかわからずに進行していくのですが、そんな彼らにもきちんと個性があることがわかります。
それはお互いには見せ合わないようにしているみたいで、斗和だけがそれぞれの個性を大切にしてくれます。
だからかなのか・・・二人とも斗和に気持ちが傾いていっているように途中から見え始めました。
どっちがどっちか聞く斗和にそれでも「どっちも一緒」って答える愛司・・・なんだか切なかった・・・。
斗和はつむじの巻き方だったり色々な所で愛司と誠司と見分けがつくようになるのですが、なんとこのことで愛司がとんでもない行動にでてしまいます。
誠司と愛司の葛藤と本音
確かに双子の間には愛はあると思います。愛はあるのだけれど、それは単純は恋愛の愛ではないとすごく思いました。
どうしてそう思ったかは2人が番になるまでの回想。
幼少期から描かれています。
誰にでも愛されてたのはびっくりすることに愛司の方だったみたいですね( ̄。 ̄;)逆だと思ってました。
誠司はそんな彼に劣等感を抱きながら生きてきたようです。
それが逆転するのはそんな愛司がΩで誠司がαとわかったとき。周りの反応が明らかに違う事で誠司は優越感を覚えます。
そして・・・その気持ちが徒となって番に結局なってしまうんです。2人がなろうとしてなったというわけではなかったのだと過去の話でわかりました。
この番になった事で誠司は愛司に呵責の念が強かったのだのではないかと思いました。
だから誠司はこれまで愛司と一緒にいることで精一杯愛を示してきたのだと思います。
複雑だなぁと思ったのは、誠司は斗和のことも意識しています。ここらへんはトライアングルですね。
愛司は愛司で自分がΩということで、皆にいつか捨てられるんじゃないか、誠司にも捨てられるんじゃ無いかという恐怖心がすごくあったようです。
いつか彼の前に、彼が好きになる人が現れたら・・・・番システムはαからΩを切り離すことができるんですよね。
番もαは一人というわけではないかもしれない。でもΩは???番になったαしか受け付けないカラダになってしまっているのですごく怖いと思うのも分かる気がしました。
ここら辺が双子なのだけれど、αとΩで思っている事が違うので面白いなと思った箇所です。
愛司の本心は・・・
この作品奥が深いなぁと思ったのは、嫌な奴に見えた愛司の本心がなんていうか愛がある故の行動だと気づかされた時。
愛司は斗和に発情期を起こさせ、誠司と番にならせようと企てます。
そして自分は2人の前から消えちゃうんですね(T^T)
斗和が愛司をみつけ会話をするのですが、本心は誠司が来てから彼に言ってましたね。
Ωの苦悩がすっごく表現されてて、一気に愛司に感情移入してしまいました。
ただね、終盤で思ったのは・・・何もわからず番になってしまった2人だけれど2人がはじめて欲しいと思ったのは斗和なのだろうなぁと。
番という点においては誠司と斗和にかなれないけれど、私はどちらかというと愛司と斗和でくっついてほしいなぁ~何て思ったりしています(〃・ω・〃)
いやいや・・・この3人はどこまでいっても3人でそれぞれ愛のカタチがあってうまくつきあっていくのだろうなぁと思いました。
あいとまこと 感想まとめ
すごく面白かったです。オメガバースならではの作品でしたね。
こういうのは色々と考えさせられて興味深かったです。
誠司と斗和、愛司と斗和、誠司と愛司・・・どの組み合わせにもそれぞれに愛情がしっかりとあるストーリーで読後も良かったです。
理解されたいという気持ちが叶って良かった(*^_^*)
それにしても森世さんの今回の絵柄素敵でしたね!特に双子ちゃん。好みでした。
また森世さんの作品が出たら読みたいです。
3Pや三角関係で複雑なんだけれどなんだかんだ言っててずっと3人なんだろうなぁと思ったのは【チョコストロベリー バニラ】以来かもしれません。
それに描き下ろしも良かったですね。
誠司に早く斗和の首を噛んでしまえと言う愛司。
それはどうしてか・・・他の人と番になるのが嫌だからなんですね(*^_^*)誠司なら負けないという自信でもあるのかしら(〃・ω・〃)
なんだか前向きな考えに最後愛司がなっててちょっと嬉しいなぁ~と思いました。
Ω×Ω・・・難しいからこそ愛司頑張れ!って思っちゃったんですよね。。。またどこかでこの3人読みたいなぁ~・・・。
でも正直、斗和は愛司の方が好きだと思う・・・(フィルターかかってます笑)
タイトルもすごいですね。あいとまこと(愛と誠)って愛司と誠司の事でもあるんですね( ̄。 ̄;)この記事書き終わってから気づいてびっくりしました。
いやぁ~面白かったです!
ちなみに、森世さんの他作品であるロマンティック上等は番がいるΩと結婚したβくんとのお話。こちらも純愛ですヨ。
すごく好きな作品ですのでこちらも注目していただけると嬉しいです。